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運命、信じますか?

同業者である開発ワーカーたちと話していると、どうやら運命だのご縁だのカルマだのを信じている人が多いことを感じます。私から見ると、皆さん運命なんかに翻弄されているのではなく、何かを信じて自分たちで道を切り拓いているような方が多いので、ご縁もへったくれもあったものじゃないと思うのですが、何だかちょっとスピリチュアルな話で盛り上がることも多い業界のような気が。占いにむちゃくちゃ詳しい人もあちこちにいます。

なんて言いながらも、やはり何か見えざるものに導かれたからこそ、色々な国に縁あってある期間どっぷり浸かったと思うのも事実。 それこそ開発ワーカーなんていうのは、1年前まではその名前の国が地球儀の上でどこにあるかも知らなかったところに行ったり住んだりする仕事なので、そんな偶然を何かの運命と思いたくなることがあるのも当たり前ですね。私もこれまでに赴任した国のほとんどは着任するまで一度も足を踏み入れたこともないところなのに、なぜかその国での仕事をやってみようと思う不思議な興味や感覚(時には妙な自信だったりもする)があって、次に住む・働く国を選んできています。これを運命とか縁と呼ぶなら、私も信じていると言ってもいいでしょう。 あと、個人的にはまだ経験ありませんが、一つの国に行って、ここが自分の暮らす場所と信じて根をはり、その社会にしっかり根付いて生きている永住組の方々の、その人と場所との運命的なめぐりあわせだって少なくないのですし。

人との出会いもしかり。在留邦人が40万人以上のアメリカではなくて、100人ちょっとのザンビアで出会う日本人には、何かの「多生の縁」だって感じるものです。10年前ぐらいのザンビアは「愛の国ザンビア」と呼ばれるほど、在留邦人コミュニティ内でのカップル成立率が非常に高かったのですが、そんなことがあっても不思議ではない何かの縁や、そこで一緒の時間を過ごす「1億2000万分の100」の日本人2人が出会う確率を、まさに運命と思える関係がきっと生まれていたのでしょうね。。。あまり素直にそこまで運命を信じられない私は、同じ時期に同じような異文化経験をした経験の共有が親近感を強めているのだろうと無駄に分析してしまっていて、そこからロマンスも生まれようがないのですけどっ。

というようなことを、たまたま資料として見ていた外務省の海外在留邦人数調査統計を見ながら思い出していたのでした。 私もこれまでの任地で出会い、親しくなった人たちにはひとかたならぬご縁を感じる人が多いので、何らかの見えないものに導かれていると信じて、末永く仲良くしていただきたいと思う次第です。

蛇足:写真はスイス・ジュネーブにある欧州国連本部の正面、加盟国国旗がずらっと並ぶ国際オタクにはちょっと楽しい場所です。ジュネーブ在住時、ここの前で旗を端から端までどれがどこの国のだ?と見ながら、次はどの国に行くのかなぁとぼんやり考えていたのが懐かしいです。