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#1:美しき”所作”【こんなモノが好き。】

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1年近く前に、なぜかモノが好き。というタイトルの記事を書かせてもらいました。
服だろうと、調理器具だろうと、楽器だろうと、モノそのものに惹かれてしまう僕としては、好きな理由を語ってみたいと思う部分がどこかにあります。

なので自由に語れる場所をひとつ作っておきたいなぁ、なんて思っていたりもしました。

まぁ僕の好きなモノになんて興味のある人はほとんどいないでしょうから、本当にびっくりするほど自由に書かせてもらおうと考えています。
もし興味があると思う方がいてくれたら、スキを押してもらえると連載にするかもしれないので、ぜひともよろしくお願いします。

そんなわけで唐突に始まる新コーナー【こんなモノが好き。】、スタートです。

#1:美しき”所作”

記念すべき最初の好きなモノは、財布だ。

昨今、ミニマル化などといった言葉で語られる代表格でもある財布。
キャッシュレスの時代になり、スマホひとつあれば何かと事足りることも多い世の中だから、財布のトレンドも大きく変化している。

今のトレンドは明らかに『小さい財布』だろう。

コインケースが無いどころか、中にはお札を入れるスペースさえほとんどないような財布も増えてきている。

そんな世のトレンドに反して、僕は中学生の頃から長財布を今も変わらず使い続けている。
コインケースと札入れを別々に持っていたこともあったが、それも面倒になってしまって、結局はコインケースもついた長財布を使っているのだ。

なぜ折り畳みにしないのかと聞かれることもあるのだが、これにはめちゃくちゃ個人的な感情が入ってしまう。

「お札を折ることができない」からだ。

なぜなのかはいまだに自分でもわかっていないが、(実家が商売をやっていたせいもあるのかもしれない)昔からお札を折ることにどうしても抵抗がある。

千円札だろうと一万円札だろうと、お札を折るのが苦痛で仕方ない。

一時期ミニマル化に伴って、折らなくても良いタイプ(マネークリップ的な)の財布を使ったこともあったが、結局お札には”クリン”と丸まった跡がついてしまう。
それも耐えられなくて、長財布に戻すことにしたくらいには、お札を曲げるのには抵抗があるのである。

そんな理由から長財布を選んでしまう僕が、この数年ずっと使い続けている財布がある。

それが『所作〜Shosa〜』という財布だ。

引用:所作オフィシャル

最初は何で見つけたか忘れてしまったのだが、「なんかステキ」と思ってしまい、直接店に足を運んだ。

その店は、渋谷からほど近い北参道の駅付近にある『No,No,Yes!』というレザーの専門店だ。

ご存知、これまたレザーで有名な姫路に本社を構えているらしい。

店に入り、いざ『所作』を手に取ってみたら、一発で惚れてしまい即座に購入してしまった。
今使っているのは2代目だが、それ以来、もう長い付き合いになる。

この『所作』という財布の特徴は、文字通り、美しい所作にある。

引用:所作tokyo

もともとのデザインイメージは、贈答品などを包む一枚布の『袱紗(ふくさ)』なのだそうで、布が折り畳まれる「折型」と呼ばれる礼法から来ている。

実に日本的なところへ、この財布は縫い目がひとつもない。

代わりにあるのが、ひとつだけ使われている”ナット”

このナットもハードロック工業という会社の『緩まない』ことが強みのナットである。
現に長年使い続けているが、一度もナットが緩んだと感じたことはない。
驚くほど強靭なのだが、そうした日本の現代の技術も取り入れられているところに、さらなる魅力を感じてしまう。

この財布を使い出してから感じていることがある。

それは、財布を開くたびに感じる気持ちだ。

特に最初の頃は、財布を開いていくこと、そして逆にパタパタと閉じていくことに、何やらえも言われぬ楽しみを感じた。

これまでに味わったことのない財布の楽しみだ。

お札を折るのが苦痛で仕方ない僕としては、一枚一枚のお金を大事に扱えているような気がして、とても理に適っている。

加えて、一見かなり派手なデザインのものを使っていても、その所作によってなぜか気品が感じられる。
これもとてもおもしろい。

ちなみに僕が今現在使用しているのは、このタイプ。

睡蓮画 フローラル / 引用:所作オフィシャルショップ

パッと見でわかるように、男性が使うにしてはかなり派手に見えると思うのがお分かりいただけるだろう。

だが、「派手だね」と引かれたことは幸い一度もない。

むしろ、周りから言われるのは「それ何?どこの?」なのだ。

気軽に立ち寄ったカフェの店員さんや、馴染みの居酒屋、買い物に行った洋服屋など、本当にいろんなところで声をかけられた。

それくらい人の興味を惹いてしまうモノなのかもしれない。

でもそんなことより何より、やっぱり僕は、この財布を使う楽しみそのものに惹かれている。

ものすごく曖昧な表現で申し訳ないが、お金を扱うという行為に、何か”心”を感じるのだ。
こればかりは使った人にしかわからない魅力なのではないかと思う。

そろそろ2代目にも疲れが見え始めてきたので、3代目を考えているところだ。

これまで使ってきたタイプは、革質的にあまり経年変化を楽しむようなタイプではなかった気がするので、今度は育てられるタイプにしても良いかなと悩む。
でも、ペイントで箔押ししてあるタイプがあまりにも美しすぎて、ついつい同じようなタイプを選んでしまいそうだ。

当たり前のように毎日使い続けるモノだからこそ、気持ちを盛り上げてくれる所作には感謝しかない。

おそらく今後しばらくの間は、よっぽどのことがない限り使い続けてしまうだろう。

それくらい所作は、僕の好きなモノなのだ。

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