見出し画像

逆月代

初夏です。さわやかな風を受けて高原の空気を堪能するのも、これからのお楽しみでありましょう。
尾瀬などの湿原に出来る、池塘(ちとう)、場所によっては餓鬼田(がきた)とも言われる小さな池を見ながらのハイキングも良いですね。

しかしですね。どうも素直にそれを愛でる事の出来ない私がいるのです。あえて言葉は「餓鬼田」を選択しますが、夫の頭は餓鬼田です。
いえ、月代(さかやき)からの餓鬼田経由、偉大なる通常状態なのであります。

40代にあれよあれよと言う間に、月代状態になりました。凄いですねえ、男性ホルモンって。
綺麗な月代。ここは地肌。ここは毛。
なんというか領空侵犯許すまじ的なクッキリハッキリの線引き模様。

夫はそのまま、丸坊主または小さなお帽子でも良かったようですが、娘の「毛があった方が良い」の一言で薬を飲むことを決心しました。

あの月代がどうにかなるのか疑問でしたが、飲むこと数ヶ月。ホワホワと毛がたなびく餓鬼田状態になりました。おお!すごい!と感心しているうちに、ホワホワが太くなっていきまして、餓鬼田が消滅しました。

今は湿原の気配は感じるものの、しれっと何事もなかったかのように、過ごしております。
それでも、どうも夫の頭頂部を見ると「餓鬼田」の文字が浮かんできますし(ギャートルズ的)、初夏の山開きwelcome山!ポスターを見ても「餓鬼田」が浮かんできます。
それほどのインパクトがあったということでしょうか。

まあ、いいんですが。これからも幻の餓鬼田と共に暮らしていきます。色々と幻ですが。