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keitonote
きっと、記憶に残る時間
大学の長い夏休みが終わるので、娘は地元を離れた学業の場に戻る。秋物の服や後輩へのお土産をたっぷり積み込んだ車で、彼女を現地まで送り届ける予定だ。
急に。
父がどうしても娘の大学を見たいから、一緒に車に乗せて欲しいと言い出した。母も。
父は高齢で身体の具合は、まったくよろしくない。
本気?時間がかかるよ?日帰りだよ?
でも、どうしてもと譲らない。
母は小声で、時間もあまり無いしね、と呟く。
しょうがない。
枯れ木のような身体の父の体力は持つのだろうか。相当気がかりだが。
雨が降らなければ土曜日。
母だけは、当日おにぎりを作ろうかしら、などと1人、旅行気分だ。それはそれでいい気がするが。
色々相当気がかり。