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何もそこまで

インテリアに興味がありますか?と聞かれれば、そこそこ自分なりに好きですよと答えます。胸を張るわけでもなく、若干もごっとしながら。

・・・

娘が一人暮らしを始めました。
レンタル家具などを注文し、後は頑張れと立ち去るはずが、「ママ、、このトイレがすっごく嫌なの」と見せられた部屋のトイレは確かに昭和の風味満点です。足元のビニール柄が唐草チック。昭和唐草トイレ。

がまんしなさいよ、と言いながら、、、
くわっ!(何かのギアが入る)
変えましょう。
娘よ。ママが変えて見せましょう。
若草の風を感じる空間に。

賃貸 壁紙 リノベ おしゃれ にて検索の鬼化。「簡単に貼ってはがすことができ、のり残しもありません。北欧風シート」
これだよ。購入。
お揃いの柄で揃えたトイレ小物も 購入。
突っ張り棒も 購入。

数日後、マイペットと山のような雑巾と購入品をもって、昭和唐草トイレに突入。
トイレリノベのためだけに高速を飛ばして、娘の元に通う私って、と思いながらもセンス皆無のトイレ空間は我慢ならない。← 何もそこまで。

くんずほぐれつ便器と格闘。眼鏡を頭部に引っ掛けて、立て膝状態でリノベシートをズレなく床に張る私は、まるで職人のよう。← 何もそこまで。

シートの次はトイレ掃除、そして壁掃除。メラミン樹脂でピカピカに金属部分を磨き上げ、突っ張り棒で備品の置き場を確保。壁面には取り外し可能なお花のシールを、再びの職人顔でここか、いや、ここだなと一つ一つ散らしていきます。

ドラッグストアで、クンカクンカと匂いを確認しつつ吟味に吟味を重ねたトイレ用芳香剤を、最後にコトリと置いたら、我が生涯に一片の悔いなし。

私が使うトイレでもないのに。

異常な熱量で仕上げたリノベトイレは、ビフォーアフター写真を提供したいくらいの完成度なのでありました。

「るんるんって感じでトイレにいってるよ」
そんなLINEが娘から届いたので、ヨシとしましょうか。ああ、激甘。

インテリアに興味がありますか?
ええ、まあ、そこそこに。
ヘトヘトになりますが。自己満足ですが。

さて、、次は。