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自分の心を満たすには

遠い昔の子どもの頃。足りぬも知らぬ子どもの頃。
遠くバタークリームのクリスマスケーキの記憶。
古いスーパーマーケット。
クリスマスプレゼントが包まれている包装紙は、よく知る近所のショッピングセンターのものだった。

薄い孤独を感じたその頃は、一人で過ごす冬休み。
少し離れたスーパーへ、お昼ご飯を買いに行く雪の道。お金は働いている母が台所に置いていく。
買うは釜飯、味が濃くて美味しくて。冷えた釜飯は滑稽な茶色のお釜に入っている。

満ち足りぬ満ち足りぬ。
何年経っても、満ち足りぬ。
孤独の中に戻っていく。

どうすれば良いものか。誰かが埋めてくれるのか。

ひとりだなと思い知る。
分かっている。
夢をみる。
満ち足りぬ。