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無礼な人に対するコストを可視化する

「私が学んだのは、人は、他人が言ったことを忘れるし、他人のしたことも忘れるけれど、その人にどういう気分にさせられたかは決して忘れない、ということだった」マヤ・アンジェロウ

この言葉読んで思い当たることがあるのではないでしょうか?

誰かに優しくされたこと。反対にひどく叱責され不快に思わされた体験というのは脳裏に深く焼き付いているはずです。その時の言葉を明確に思い出せなくともその時の感情は鮮明に思い出せるでしょう。
そうしたことが合間って「無礼な人」がもたらす悪影響はウイルス性を持つだけでなく、根深いものでもあるので周囲に与える損失は必然的に大きくなります。
本書においては5つに分けて説明されていますが、抜粋して2つだけ簡単に紹介します。

1.同僚の健康を害する
テルアビブ大学のアリー・シロムらが職業の様々に違う820人の大人を20年にわたり調査した結果、勤務時間の長さや仕事の負荷、与えられた権限、裁量の大きさなどは、寿命の長さに影響せず、ともに働く人たちの態度が協力的、友好的かどうかが影響を与えていました。
また、職場に友好的でない人がいると死亡リスクが高まり、約2.4倍の人数が死亡していることが判明しています。

2.会社に損害をもたらす
職場ストレスによってアメリカの経済全体では年間5000億ドルもの大金を負担しています。
つまり、仕事上のストレスが原因で毎年5500億日もの就業日が失われ、職場で発生する事故の60~80%はストレスが原因とされています。そしてそのストレスの大きな原因が人間関係の問題です。
また、顧客の体験を壊すことにも繋がります。

例えば、顧客の目の前で部下を叱責するなどしてしまったら、その企業に対する印象は極端に悪化することがマーケティングを専門とするデビー・マシニス教授らの実験により実証されています。
それだけでなく、「無礼さ」というのはウイルスなので人づてに悪評はどんどん広まり、従業員の間でも伝染し、結果的には思考能力と認知能力を低下させることにも繋がります。

「無礼な人」がもたらす悪影響はこれだけではありませんが、思う以上に多くの人にそれも無意識下においても作用してしまうことが非常に厄介な点と言えると思います。

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