ポストに入っているマンションの売却チラシが気になる人へ

ポストに入っている不動産のチラシ。

「チラシをポスティングするな!」とメールボックスに貼り紙をしても、毎日毎日チラシを入れてきます。

言う事を聞かないですよね。笑
マナーがないと言うか、なんと言うか。
ポストに投函するな!って書いてあるのに投函する時点で、その会社はダメと思って欲しいと言いたい所ですが。

でも、今までポストから取り出して、すぐにゴミ箱に捨てていた不動産のチラシが、必要な状況になると、不思議な事に目に入ってきます。お部屋までチラシを連れて帰ってきてしまい、この記事を読んでいると思います。笑

このチラシは主に2種類のタイプに分けられますね。
なんとなく分かっていると思いますが、少し説明しますね。

1つは「販売している物件」のチラシ。
近所のマンション、場合によっては、あなたのマンションのチラシが入っているので、価格と広さ、築年数などを見る事で、あなたのマンションが幾らくらいで売れそうか、その判断をする参考になります。

まぁ、幾らで売れるかを知りたいのであれば、スーモなどの不動産ポータルサイトを見てみると、大体の価格は把握できます。大体の価格を知る上では、そこで探せば、数分で理解出来ますので、一括査定サイトを利用して査定する必要もないと思います。一括査定サイトが無料だからと言ってポチっとすると、営業攻撃・電話攻撃が凄まじい事になりますしね。

さて、2種類の内のもう一方は「売却を相談して欲しいチラシ」です。

これもよくポストに入っていますよね。
そのチラシを代表するのが某S社のチラシ。

東京・大阪・名古屋などの都市圏の方はよく見ると思いますが、次のような内容が書かれたチラシです。
「〇〇地域のマンション」を、下記の大きさと、予算で探しています。
「50〜60m2  2LDK」  予算7000万円
「80〜100m2  3LDK」 予算1億2000万円
・・・・・
・・・・・
こんな条件で物件を探している(具体的な)お客様います!という内容が、3~4項目書いてあります。全てが、相場よりかなり高い価格で書いてあります。

しかも最近は、更に具体的にマンション名をあげており、「浜町3丁目のマンションの方へ」とか「ABCマンション浜町の居住者様へ」など、マンションを特定させて、あなたのマンションを具体的かつ現実的に買いたいお客様がいますよぉ〜
どうですかぁ〜。こんな高い金額であなたのマンションを買いたいと言っている事は滅多にないですよ〜。このチャンスを逃すのですかぁ〜。売りたいなら今ですよぉぉ〜!!
と訴えかけてきています。

言われなくても、誇大広告と分かっている読者の方もいると思いますし、逆に「ウソでもいい。これも縁だから、もしかしたら本当にいるかもしれない」と思う人もいると思います。

そこで!!!
この広告に対する対応方法を今回は、お伝えします。どうすれば良いか、このチラシをどこまで活かせば良いか、もしこの内容が嘘だとしたら関わりたくない!だけど、気になるぅー!という場合の対処方法です。

仮にそのチラシの会社をS社とします。


どうしたら良いか、最もお勧めの答えをお伝えします。

 

 

 

そのチラシを破り捨ててください。絶対に問合せをしてはいけません。

これが正解です。


特に「あなたのマンションを買いたい人がいます。」「この近隣で、80〜100m2のマンションを予算1億2000万円で買いたい人がいます」等と言う、「買いたい人がいる」シリーズのチラシは、破り捨ててください。99%嘘です。不動産会社の常套句。

ポストに投函するな!と言うのに投函する。社会人になってからも嘘をつく。最低です(これは有料部分なので、少し暴言などが入っています。失礼しました)。


では本当に嘘なのでしょうか。もし、S社に依頼したら、どうなるのでしょうか。


もしS社に連絡したら、まず担当者と会います。そして色々と話をして、結局1億2000万円の人とは会う事はありません(何故なら架空の人物だからです)。会った事(あなたからの問合せ)をきっかけに、売却させて欲しいと頼まれる。と言う事になります。

つまり、このチラシは「高く買いたいお客様がいるので連絡ください」ではなく、「売りたい人を探している」チラシです。

 

話は続きがあります。

住友不動産販売は、一般的な他の会社と違い、「囲い込み(他の不動産会社と協力して販売しないで、仲介手数料の二重取りを狙い、買主からも手数料を得ようとする事)」をよくします。他の会社と協力しないと言うことは、協力し合わない分、普通に売れる可能性が低くなります。また、そんな会社ですから、他の不動産会社も、鼻から協力する気がないので、ますますS社は孤立して、売れにくくなります。

そんな事とは知らず、嘘のチラシで売却を依頼したあなたは、担当者から「売れないですね。価格を下げましょう」と言われます。囲い込みをしないで販売すれば、売れるんですけどね。とほほ。まぁ兎に角、嘘をつきます。本当は「囲い込みをしているので、普通に売れていません」という話ですが、そんな事をいうはずがありません。そして、最終的に、8000万円で売れる物件が、7500万円になり、7500万円が7000万円で売れることになるでしょう。

1億2000万円どころか、相場の8000万円でもなく、それより1割以上低い値段で取引し、S社は手数料を2重取りができ(買主からもゲット)たので、432万円(他社に販売を協力依頼した場合は、通常は216万円。他社も216万円となり半分ずつ)となり、S社と買主だけが良い思いをして、あなただけ(知らない内に)損をしている。と言う結果になるはずです。


こうなります。長い文章かつ、S社の悪口満載でした。気分を害した人もいると思います。申し訳ございません。


でもでも、嘘かもしれないが、1%は本当かもしれない!それに賭けてみたい!もしくはチラシを破り捨てる?これで有料記事?という不満もあると思いますので、どう対処すれば良いかも話をしておきます。

 

1、気にせず、S社以外の他社に相談する。

S社は嘘つきというのを信じて、S社でない他の会社(2社くらい)で査定して金額を確認します。2社の査定額が、S社に近ければ、きっかけをくれたS社も検討するという方法です。


あまりにもS社のチラシに載っていた金額と他社の査定額が違っていたら、S社のチラシはオトリ広告と思っていいでしょう。S社に連絡しなくてよかった、信用しなくてよかった、となります。

 

 
2、他社で「S社のチラシに書かれた金額」で売り出しをしてみる


査定は別として、S社には、買いたいお客様が本当にいるかもしれません(絶対いませんが)。S社の価格がどうしても気になるのなら、2週間、他社で「チラシに載っていた金額(今回のケースで1億2000万円)」で販売してもらいましょう。
2週間あれば、レインズ(他社と協力して販売する為の業者専門のインターネットサイト。ここに登録をすれば全国の不動産会社が販売物件を確認できる)を通じてS社にも必ず情報が届きます。S社に情報が届けば、チラシのお客様にも販売している事が伝わります。
念のため、売却を依頼した担当者に、チラシをいれたS社に連絡を入れてもらいましょう。そうすれば確実にS社には伝わります。


3、S社に連絡してみる


嘘つきS社が気に入らなくて、上記は他社で販売をしましょう、と提案をしてしまいましたが、面倒だしS社に問合せをすれば早いでしょ!
という人は、S社に電話してみないと、気持ちはスッキリしないでしょう。
聞いたことある会社ですしね….


気をつける事は「深入りさせない」事です。嘘チラシの目的は、仲介契約(媒介契約)をあなたから取る事です。1億2000万円で買いたいお客様に教えて欲しいのではありません。ですから、仲介の契約を求められたら、注意しましょう。
繰り返しになりますが、彼らの目的は、3ヶ月間の専任媒介をもらう事です。つまり、売却を任させる事が目的で、その為にチラシを入れて、あなたからの連絡を待っています。
でもあなたの目的はS社に売却を依頼する事ではなく、「チラシのお客様が本当にいるか、いない」を判断する事です。


S社とは、媒介契約を締結しないで、そのチラシの買手(検討者)の有無の確認だけ、もしくはチラシの買手を案内する事だけを依頼しましょう。


そのチラシのお客様が本当にいれば、1週間以内に案内が入るはずです。
深入り(3か月の媒介契約)は、しないでくださいね。


結局チラシのお客様がいない事が分かったら、もしくは、その方が買わなかったら(サクラの場合もあります)、特に何もS社と手続きをせずに、改めて信頼できる業者選びを再スタートさせましょう。


おとり広告を、これ以上蔓延させない為、ポストにこれ以上嘘チラシを投函させない為には、あなたの正しい行動が今後の日本の不動産業界の未来を作ります。


マンションにチラシが入る事を、これ以上防ぐには、あなたの正しい行動が必要です。



最後に・・・


私は過去8年間、S社さんと取引した事はありません。本当に買いたいお客様がいても、囲い込み(仲介手数料の2重取り)を狙っていますので、相手にしてくれません。

何度か、売主を直に訪問して「S社さんが、囲い込みをしているのでやめさせてくださいませんか」と言いに行った事がありますが、売主は「S社さんは大きな会社なので、あなたの言う事は信用していません」とか「何を言っているのかわかりません。S社さんを信じて売却を任せていますので、S社さんを通じて話をしてください」と言われた事もあります。

世田谷区の経堂の戸建は、6400万円で販売している物件がありました。私のお客様が買いたかったのですが、S社は相手にしてくれませんでした。最後は5600万円に価格を下げても、囲い込みを続けていましたね。笑

それ以降は、S社の物件は、連絡することもしないようにしています。囲い込みの王者でしょう。

これを読んでいただいた人は、1つの不動産会社に相談できたからと言って、安心せず、お医者様のセカンドオピニオンを受けるように、色々な不動産会社から話を聞いて、どうするかを判断した方が良いと思います。

参考になさってください。


筆者:株式会社関谷健不動産販売 関谷健


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