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次の世界へ向けて、デザイナーができること

デザイナーは、日々のKPIの追求のためのデザインに追われがちですが、社会全体の未来を俯瞰して、あるべき姿に近づくような体験を設計しなければならないと私は常に意識しています。
あるべき未来を妄想し、次に何が大切になるかを考察することは非常に重要です。何故なら、デザイナーはそのイメージを描き、周囲を巻き込むチカラを持っているからです。

戦争による資源の高騰とSDGs

今、ウクライナとロシアの戦争で資源が高騰しています。しかも、食料や石油、天然ガスなど人々の生活になくてはならないものばかり。戦争は決して許されるものではない一方、当たり前のように消費している「資源」のありがたみを振り返る機会になっているようにも思います。SDGsの提唱する、持続可能なクリーンなエネルギーへ。このポリシーの意味することを再考しました。

食料の未来

代替ミートなど、個人的には懐疑的でしたが、今後加速していくことでしょう。

それは
1.小麦やトウモロコシなど原材料の高騰
2.美味しい料理にかかる環境的な負荷

という2つの要因によるものです。「食」に対する感覚は今後大きく変わるように思います。それは食という娯楽が高価なものになり、より効率化が求められるようになると思います。現在、レシピサイトが多数ありますが、今後はよりその役割が大きくなると思います。評価の高いレシピをいかにサステナブルに完結させるかが重要になるでしょう。

コロナにより飲食店もダメージが大きいですが、今後は飲食店はレシピを販売、もしくはオープンソースレシピで生計を立てるようになると思います。
また、店舗運営が厳しい状況ですが、仮にコロナでなくとも毎日同じ料理を作る「作業」だけをしていたら、いずれその仕事はAIに取って代わってしまいます。

資源の未来

資源については、
1.必要なエネルギーだけどもっと省エネにできること
2.そもそも必要のないエネルギーを無くすこと

この2つに分類できると思います。省エネは技術の進歩でどうにかなりそうですが、必要のないエネルギーは自発的に意識する必要がありそうです。ITの技術によりシェアリングサービスが一気に普及し始めています。今あるものを有効活用することがより重要になるでしょう。それ以上に不必要なものを現実世界では作らない、という方針にしていくべきです。とはいえ、効率化だけを追求し、クリエイティブな思考が停止してしまうかというとそうではないと思います。VRによる仮想世界がクリエイティブの受け皿となり、VRの世界でより自由度の高い表現が生まれてくるでしょう。ある意味、現実世界での表現というのは、既にかなり飽和状態にあると感じています。

コロナとSDGs

コロナにより、人々の生活は大きく制限されるようになりました。多数の方が亡くなり早くウイルスが根絶されることを願っています。
一方でコロナにより、社会全体の効率化も一気に進んだように思います。リモートワークや業務のIT化で、出勤することの無駄、都市の一極集中の無駄が解決しつつあります。一極集中を回避することで、高層ビルも不要になれば、無駄なエレベーターや照明設備なども不要になります。多くの人が既にイメージしているようにドローンによる配送で都市部と同様の生活が実現できるでしょう。VRもさらに進化すれば遠くの友人とも直接会っているような体験ができるでしょう。

人口の分散化、VRの進化、このような世界に移行していく中で、デザインの持つ役割は非常に大きくなると思っています。何故なら、そこに今よりもより良い体験があってこそ、このような次の世界にアップデートされるからです。

実はまだまだ無駄が多い

少なくとも私は、そもそも社会の「無駄」について考える機会が少なかったように思います。無駄の本質とは、私の日々の業務も含め、お金を稼ぐためだけの仕事があまりに多いことです。それはそれで良いのかもしれませんが、資源ばかり浪費し、進歩がないようでは人類というとても広い視点で見ると非常に効率が悪いのです。何かのタイミングで一気に社会のあり方をリセットした方が良いのでないか、と思っています。

改めて、デザイナーの役割とは

デザイナーの強みは、妄想力だと思っています。10年後、100年後の世界はどのようになっているか、頭で描き続けるのです。あらゆるルール化できる作業をAIや機械が行い、地球の資源を最低限に抑えた上で、人類が望むべき世界とはどんなイメージでしょうか。そこへ向けてやるべきことを考えることがデザイナーの役割だと思っています。

ここ数年、悲惨な出来事が多い中、そこから人は多くの気づきを得て進化しているように思います。しかし、本来ならこのような悲惨な出来事がなくとも、もっと自律的に進化していけるようになりたいと心から思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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