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これからの年金制度を考える

こんにちは!

今日は2022年以降の年金制度改正の概要をチェックしていきたいと思います。
みなさんは2020年5月29日に年金改正法が成立し、6月5日に公布されたことをご存知でしょうか?

今回の改正は主に老後に受け取れる「老齢年金」に関わる部分が多いですが、それは現在の日本国民が課題として捉えていることの解決策に果たしてなるのでしょうか?

令和元年度の生命保険文化センターの調査によると、自身の老後生活に「不安がある」と回答した人の割合は84.4%と8割超の人が老後生活に対する不安を抱えているという結果になっています。

実際に私が面談している相談者の方々も、将来に対する漠然とした不安を感じているという場合がほとんどです。
将来について考えるうえで、まずはこれからの年金制度について知ることから始めていきましょう!

厚生年金の対象者拡大

短時間労働者が厚生年金に加入するためには、対象となる事業所の企業規模要件をクリアしなくてはなりません。
その要件が今後は以下のように段階的に緩和されていきます。

現在:従業員数500人超
2022年10月:従業員数100人超
2024年10月:従業員数50人超

また、勤務期間の要件も緩和され、1年以上見込みから2ヶ月超へ変更となります。

上記の改正によって、パート主婦や定年後に働く方々でも厚生年金に加入できる企業の範囲が圧倒的に広がります。
もちろん保険料は負担しなければいけませんが、将来の老齢年金のことを考えると、これは重要な変化かもしれませんね!

在職老齢年金の変更

まず「在職老齢年金」について説明すると、60歳以上で老齢厚生年金をもらいながら働く場合に、賃金と年金の合計額が一定以上になると年金支給の一部を停止するという仕組みになります。

まだ働いてお給料もらってるんだから、年金はちょっとくらい減らしてもいいよね?
いいでしょ!?

というイメージです。笑

現在は60〜64歳の方は月28万円超、65歳以上の方は月47万円超になると年金が減額調整されてしまいます。

2022年4月からは、年齢に関係なく月47万円超まで減額調整されることがなくなるので、老齢厚生年金をもらいながら働くという選択肢も増えてくるかもしれません。

受給開始時期の拡大

老齢年金は基本的に65歳から受け取ることができる終身年金になります。
終身年金とは、亡くなるまでずっと年金を受け取れますよというもので、長生きすればするほど多くの年金を受け取れるというものです。

現在は60〜70歳の間であれば1ヶ月単位で繰り上げ・繰り下げが可能となっており、繰り上げ受給の場合は「繰り上げ月数×0.5%」が減額され、繰り下げ受給の場合は「繰り下げ月数×0.7%」が増額されます。

2022年4月からは繰り下げ受給が75歳まで可能となり、2022年4月1日以降に70歳になる方が対象です。

また、繰り上げ受給した場合の減額率が0.4%へ変更され、2022年4月1日以降に60歳になる方が対象となります。

75歳まで繰り下げ受給した場合の増額率は84%となります。
実際にそうするかどうかは別として、これはかなり大きいのではないでしょうか?

ちなみに、繰り下げ受給でもらえなかった期間の年金額を受給後の増額分で取り返すのに必要な期間は約12年です。
70歳で受給開始した場合には、82歳よりも長生きすれば有利に受け取れるということになりす。

繰り上げ受給の注意点としては、国民年金に任意加入できなくなることや、繰り上げ受給後に初診日がある障害基礎年金が受け取れなくなることなどがあります。

繰り下げ受給の注意点としては、加給年金が受け取れないなどがあります。

確定拠出年金の加入可能要件の変更

「確定拠出年金=DC」は掛金を自身で運用して、その運用成果によって給付額が変わる年金制度です。
掛金を事業主が拠出する「企業型DC」と個人が拠出する「個人型DC=iDeCo」があります。

まず2020年10月に「iDeCo+」の対象企業が拡大されました。
「iDeCo+」は中小企業向けの仕組みで、従業員が行うiDeCoに事業主が掛金を上乗せできるものです。
もともと従業員数100人以下だった条件が、従業員数300人以下に緩和されています。

また、2022年4月からは支給開始時期が拡大されます。
現在の「確定拠出年金=DC」の支給開始は60〜70歳となっていますが、60〜75歳へと変更されます。
同様に「確定給付企業年金」は現在の60〜65歳から60〜70歳へと変更されます。

さらに2022年5月からは「企業型DC」の加入年齢が70歳未満へ引き上げ、「個人型DC」の加入年齢が65歳未満へ引き上げとなります。

これからのライフプラン

他にも細かい改正点はいくつかありますが、ここでは主な部分だけを取り上げることにします。
ちょっと疲れてきたので…笑

少子高齢化が進む日本では、老後の不安を解消するために、やはり自分自身で努力していくことが必要でしょう。

自助努力の必要性や資産形成に関しては、前回の記事でも少しだけ触れています。

今回の改正はこれから年金を受け取る方にとって、少なくとも悪いことではないと思います。
しかし、限られた財源の中で年金受給する人数がどんどん増えていくということでもあります。

今一度ご自身のライフプランやこれからの働き方、年金の受け取り方など考えてみてはいかがでしょうか?

ライフプランの相談は、きちんとしたプロの方にお願いしましょう!笑

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!