【ためになる!】教えて!騒音対策、なんとかするなら遮音?吸音?
こんにちは。積水樹脂グループ公式note編集部 土井です。
今回は建物を建てるときに忘れてはいけない「騒音対策」についてご紹介します。
コロナ禍もあり増えている騒音の苦情
「騒音」というと、生活の中で私たちが「不快だ」「耳障りだ」と感じる音になるのですが、「不快」という感覚は主観的なもので、時代や地域によっても変化するため、定義することは難しいです。ただ、「音量の大きい音」は法律や条例での規制対象にもなっている音の一つです。
「騒音問題」というけれど数字的にはどうなっているのかな、と調べてみたところ、一定数あった苦情件数がコロナ禍も背景にあるのか2020年から増えています。
この内訳で大きく増えているのは自動車や航空機のような乗り物の騒音ではなく、工場事業所、建設現場、一般家庭といった生活に近い騒音苦情です。
コロナ禍で外出を控えたりテレワークなど自宅にいたりすることが増えたことも原因の一つかもしれません。
防音(音響抑制技術)は当社の強み
当社はもともと高速道路などの防音壁を作っており、国内での防音壁のシェアも大きく、音響抑制技術は当社の強みの一つです。
巷では「音のセキスイ」と呼ばれている時もあるんですよ。
その音響抑制技術を使って工場、物流センター、保育園などへ防音効果のある塀を提供しています。
先日開催された展示会での防音効果を実感する様子をご覧ください。
左にある黒いものはホワイトノイズと言ってテレビが終わった時の雑音のような騒音を出す装置です。弊社総務広報部今井が立っているのは防音めかくし塀の吸音タイプの前。
実際に体感した様子をご覧ください。ショート動画っぽくなってしまいました。
そもそも騒音ってどれくらいの大きさ?
遮音タイプの防音めかくし塀の開発を担当した住建事業部 開発室の吉田さんにお話を伺いました。
吉田さん)こんにちは。
土井)こんにちは、よろしくお願いいたします。
デシベル(db)って健康診断の聴力検査の時か、時々Apple Watchが騒音だよ!というくらいであまりなじみがないのですが、どれくらいのデシベルだと騒音なんですか?
吉田さん)この表がわかりやすいですよ。100とかだったら鉄道のガード下くらいのうるささですね。
土井)なるほど。鉄道のガード下に10分いたら確かに耳がおかしくなりそう。Apple watchは私のことを思って言ってくれてるんですね。
騒音対策、どれくらい減らしたら効果あり?
土井)先ほどの表で70dBくらいからうるさく感じるんだな、とわかりましたが、この防音めかくし塀で対策して騒音レベルが10dB下がったらどれくらいのインパクトなんですか?
10db減ったら半分になったくらいの十分な効果あり
吉田さん)この表をみてください。5dBでもはっきりわかります。10dBだったら相当効果ありですよ!
土井)そうなんですね。10dB違ったら相当なんですね。
音は上に行く(伝わる)
吉田さん)また知っていましたか?理科でならったかもしれませんが、音は上に行くんです。だから高い壁にすると防音効果も高いんですけど。
土井)知りませんでした!
吉田)ただ、壁を高くすると費用も高くなりますし、施工するのに時間もかかりますし、運ぶのにも設置するのにも力も必要になります。また、音を聞き取るのは耳じゃないですか。なので歩いている人への防音対策であれば人間の耳の位置(1.2~1.5m)で音を聞き取ると想定して、効果を考えます。
土井)なるほど。この下の画像だと2Fのベランダにいる人は歩いている人よりはうるさく感じるんですね。
壁は重いほうが騒音対策の効果があるけれど、施工が大変
吉田さん)あと壁は重いほうが音を遮ります。
土井)重さも関係あるのですね。同じ高さで重いと密度があるってことなのかしら、、、
吉田さん)でも重いと、高い壁と同様結果的に施工性が悪くなるんです。
土井)非力な人でも設置しやすい製品がいいですね。運ぶのも軽いほうがいいですし。また重い壁だと倒れたときに事故が心配ですね。
実際に実験して効果検証
吉田さん)滋賀工場には音響試験棟という、音を調べる特別な施設があります。
ここで試験をして私が開発した遮音タイプのめかくし塀は従来の簡易遮音タイプと比べてここまで効果がよくなったんです。
土井)10dB以上差が出ていますね。同じ価格帯で導入できるならそりゃ効果が高いほうがいいですね。
防音するならば遮音か?吸音か?
防音対策としては
「遮音」 と「吸音」 があります。
まずはその違いを辞書で調べてみました。
で、どちらがいいのでしょう?
吸音の方が吸収する分なんとなくいいような気がしますが。
吉田さん、この点も教えてください。
吉田さん)この動画を見てみてください。
【全体版】(3:27)
【遮音タイプの結果】(1:34あたり)
【吸音タイプの結果】(1:54あたり)
吉田さん)吸音の方が音を吸収するので効果は高いです。
ただ、広いところであれば遮音で音を跳ね返した後方に空間があるので対策としては十分な場合もあります。
場所に応じてご相談ください。営業担当がお話を伺い、設計にて騒音計算をしてご提案します。
土井)吸音の方が効果は高いのですね。でもこの試験で遮音でも10dB効果があるので、十分ではありますよね。
吉田さん)そうです、そうです。ちなみにこの吸音のものは保育園など保育施設用のものもあるんですよ。
土井)普通のものとの違いは何ですか?
吉田さん)小さいお子さんは大人より声が高いじゃないですか。
この保育施設向け吸音タイプはその高音の吸収率が従来のものより効果が高いのです。
土井)技術のチカラ!よく考えられていますね。
吉田さん)まず吸音タイプはパンチングでその穴から入った音を中にある多孔質樹脂で吸音するんです。
小さいお子さんって指が小さいじゃないですか。なのでこの穴に指が入らないように、保育施設向け吸音タイプはパンチングの穴を小さくしています。
土井)素晴らしい!
吉田さん)当社の製品開発は実際の営業担当から聞くことももちろんですが、様々なお取引先様との商品や技術の説明会にも参加して率直な意見を伺って改善活動を行っています。お客様から率直な意見をいただける場は貴重です。
騒音対策したいな、と思ったらご相談ください
いろいろ話をしていると関東支店住建営業所の手塚さんが偶然いらっしゃいました。
土井)騒音対策、お客様もやりたいけれど何がいいかわからないケースが多かったりしませんか?
手塚さん)そうですね。状況をお問い合わせいただければ、ご要望、ご予算に応じて、遮音タイプがいいのか、吸音タイプがいいのか、採光などもほしいのかなど検討させていただきます。遠慮なくご相談ください!
現場状況、騒音源に応じてベストな製品を選定いたします。
サイトからもお問い合わせができますし、実例を見ていただくことも可能です。
こちらから↓
土井)吉田さん、手塚さん、いろいろ教えていただいてありがとうございました。ただの外構と思いきや、外を歩く方やお住まいになられている方への配慮がされているんですね。外構を見る目が変わりました!
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感謝☆彡 土井