日本も参考にできそう?フランスの通称使用

 選択的夫婦別姓について、議論が活発になっています。

 旧姓使用の拡大を主張する人に対し、「海外では通称使用が難しい」という声もありますが、フランスのように通称使用が可能な国もあります。

 日本では、結婚すると夫婦のどちらかが改姓し、改姓した人が旧姓を通称として使うことができます。フランスでは、結婚しても本名は改姓しませんが、配偶者の姓を通称として使うことができるそうです。なお、フランスでは、配偶者の姓の他、配偶者と自分の姓を連結させた複合姓や、母の姓を通称として使えるようです。↓

 日本では、改姓者が本名として旧姓を使えないから旧姓が使える仕組みができた、フランスでは、結婚しても配偶者の姓を本名として使うことができないから通称使用ができた、という事情の違いだと思います。なお、本名として別姓選択できる国では、旧姓が使いにくいようです。

 旧姓使用という便利な制度が開拓されてきたにも関わらず、運用見直しが十分行われないまま選択的夫婦別姓に移行すれば、旧姓使用の意義はなくなります。旧姓使用したい人が「なんでそんな面倒なことをするんだ!最初から別姓を選べ!」と職場から圧力をかけられる恐れもあります。実際に、経済界からは、手続きの煩雑さを根拠に旧姓使用に否定的な意見が目立ちます。

 「仕事で旧姓使用できない」という意見を見ても、国の制度は上は問題ないのに職場が理解がないケースが多いです。

 なお、フランスでは通称を、銀行口座名や年金受給者名、行政上の届け出でも使うことができるそうです。

これは大きいですね。手続きの煩雑さを解消し、旧姓が使える範囲を拡大させれば、旧姓使用も捨てたものではないと思います。