高校野球最後の夏、始まる。
2024年7月6日。
高校野球最後の大会。
初めて開会式に現地参加して、その熱気に触れてきた。
駐車場には大量の観光バス。続々と降りてくるユニフォーム。
朝日に照らされたアスファルトの上をスパイクの音がひっきりなしに通り過ぎていく。
談笑しているチームもあれば、全国に轟くチーム名を胸に整然と歩くチームもいて、いろんな高校名を目にしながら、これから始まる熱戦を想像してワクワクした。
それにしても、みんなとってもがっちりしてる。すごい筋肉。
少年野球をやっていた頃は、きっともっと可愛くて小さかったんだろう。
たくさんご飯食べて、寝て、野球の練習やって、さらに眠気と闘いながら宿題やって。そうやってここまで頑張ってきたんだろうな。
入場を待つ彼らの間をカメラを片手に歩きながら、ついつい見惚れてしまう。
次から次へと地から湧いてくるかのような選手の数。
一体ここに何人いるんだろう、本当に野球人口減っているの?と思うくらいの球児の数の中、やっと息子たちの姿を見つけた。
夏大会にしか着用できない、代々受け継がれる特別なユニフォーム姿の20人。
2年3ヶ月頑張り続けて、やっと掴んだ背番号。
本当に欲しかった背番号を手にできなかった思いもあるかもしれないけど、それぞれに受け入れたのかみんな笑顔でおしゃべりしてる。
昔のチームメイト見つけて「おー、元気ー?」なんてプチ同窓会もやってる。
あぁ、なんて可愛いんだろう。その笑顔も、そのガタイの良さも。
開会式の時間が迫る中、彼らに向けて何枚も何枚もシャッターを切った。ブレていようが、多少斜めだろうが、とにかく枚数を。四方八方から撮りまくる。
私にあらゆる場面でレンズを向けられてきた彼らは、もう慣れっこなのか、傍で私がバシャバシャ撮っていても動じない。
かなりの枚数を撮り終えたころ、スタジアムの中から吹奏楽部の演奏が聞こえてきた。いよいよ始まる。行かなくちゃ。
急いでスタジアム内へ向かうその道も球児ですっかり埋め尽くされている。
ごめんね、ちょっとごめんなさい、と言いながら通り過ぎる私に球児たちから降り注ぐ「ちわーっす!」「ちわす!」のご挨拶。
あぁ、いいのよ無視してくれてて。開会式前にバタバタとごめんね。
内心でひたすら詫びつつ、間を抜けようとすると密集する彼らのユニフォームからまだ洗濯したての石鹸の香り。
この香りもきっとあと数時間で砂と汗の匂いに変わるんだろうな。
がんばれ、息子たち。がんばれ、全国の球児たち。
高校野球最後の夏。悔いのない夏を。
いよいよ、開幕だ。
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