マノーリンはかもめの夢をみる(4/10)
一学期の給食が終わった週末は、もう終業式だった。
リョウヘイたちは、いつもと変わらず三人で、海沿いの県道を歩いて帰った。そしていつものように、通知表やら上履きやらを詰め込んだ鞄を放り出して、浜に降りた。
浜へ降りるスロープから、いくつかの轍が伸びている。それは、もうすっかり出来上がった海の家の方へ続いていて、駐められた軽トラから冷蔵庫やオーディオ機材が搬入されているところだ。海にはもう、遊泳区域を示すバリアが張られていた。こうやって海水浴場の形が出来上がってしまうともう