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33歳、フリーランス7年目。私をここに連れてきてくれたのは、「好き」よりも「ほっとけない」だとわかった

「自分の好きなことを仕事にできて良いですね!」

フリーランスとして自分の名前を出して働いているからか、時々そう言ってもらえることがあります。

「ありがたいことに楽しく仕事をさせてもらっています」
と返すものの、と、同時に少しモヤモヤ。


好きを仕事に…?

絵を描く仕事をしているけれど、絵を描くのが好きなわけではないし、
人の話を聞く仕事をしているけれど、それが一番の仕事のモチベーションかといわれるとそうでもないし。

仕事内容

「自分の好きなことを仕事にできて良いですね!」

そう言われるたびに「好きを仕事に」より、もっとしっくりくる言葉があるように思っていました。
そして桜林直子さんの「世界は夢組と叶え組でできている」を読んで、はたと気づく。

「自分のため」と「誰かのため」は、両方バランスよく持てるといい。
だけど、うまくバランスを保ちいっぺんに両方の視点をもてる人は稀で、ほとんどの人は「じぶんのため期」と「誰かのため期」が交互にやってくる。

2020 桜林直子「世界は夢組と叶え組でできている」p142

あぁ、いまの私は、「好き」を仕事にしているというより、「ほっとけない」を仕事にしているんだな。

「ほっとけない」を仕事にする

同じ仕事をしている知人から「仕事の絵の息抜きに趣味の絵を描いている」「水彩画が楽しくて教室に通っている」と聞くたびに、「あぁ、必要な時以外は一切描かない私にとって、絵を描くこと自体は嫌いでもないけれど好きでもない、本当に単なる手段なんだなぁ!」と楽しく驚きます。

そんな私が2017年に独立してから7年間描き続けてきた理由は、自分がどうしても「ほっとけないこと」に、絵を描くことで一番役立てられるから。

可視カフェの一幕

私はわりと、話を聞いてリアルタイムで絵や文字にして整理したり、構造化したり、身近なものに見立てて描いたりすることは得意な方です。

その得意を役立てることで、「ほっとけないこと」が良い方向に向かい、それがお金とうまく繋がり、仕事になる。
それが嬉しくて、結果としてずっと描き続けてきました。

こんな順番

私をここに連れてきてくれたモチベーションは「好き」なことをしている嬉しさより、「ほっとけない」に関われた嬉しさのようです。

わたしが「ほっとけない」こと

そんな私が「ほっとけないこと」は、もったいないこと。
特に、せっかく在ったのに、それがあった甲斐がなくなってしまうのがもったいない。

  • 「なんか考えあるんだけど、なんだったっけ…」という個人の頭の中

  • 「当たり前」が違いすぎて、ボタンの掛け違いのまま進んで止まる話し合い

  • 「前回、何を話したっけ?」から始まる会議

  • 「すごい良いアイデア!いつか出来たらよいね」で塩漬けになる話し合い

  • 「いつか見よう」と思って埋もれていく積んアーカイブ動画

あぁ…!もったいない…!!!!
私が関われる範囲だけでもいいから、もったいないを拾って集めて渡して回りたい。
「ちょっと要点を描いて整理して描いたので、ここ置いておきますね〜」と渡してまわって、それらがあった甲斐が報われるチャンスが増えてほしい。

ウェブサイトにあるステートメント

思えば大学時代、友人からの恋愛相談では、大抵どんな「あちゃー…」な相手でも「◯◯ちゃん、別れるのは一瞬だから…もう一回話したら良いと思う」と言ってしまうくらい、「終わってしまう」ことがもったいなかった。

今でも、出張先のホテルで朝食のホテルバイキングがあったら、「これ残したら廃棄なのかな」ともったいなくて無理して食べがちだし、イベントのあとの懇親会の食べ物の残りは配ってまわるし、テイクアウト容器があれば率先して詰めたがる。

終わる、無くなる、変わる、消える、あった甲斐がなかったことが、とにかくなんかいや。

いまになって思えば、大学で文化人類学を専攻したのも、そうした無くなる、変わっていくものの構造や意味を見出す姿勢に惹かれたんだろうなと思います。

もうすぐ8年目、「ほっとけない」のその先へ

イラストを描くこと自体は好きではないですが、「ほっとけない」ことの力になれることは「好き」。
「自分のため」と「誰かのため」と組み合わせて、「もったいない」に携われる部分を仕事にしてきました。

・「なんか考えあるんだけど、うまく言葉にならない」という個人の思考や想い
→ビジュアルインタビュー「可視カフェ」

・対話や議論、ワークショップやイベントのサポート
→グラフィックレコーディングやファシリテーショングラフィック

そうして活動してきて、7年目ももうすぐ終わり。

だんだん自分にできることが見えてくると誰かへの役立ち方が見えてくるし、誰かへの役立ち方が見えてくると、より具体的な「特に役立ちたい相手」が見えてくる。

今は「特に役立ちたい相手」に見つけてもらえるよう、具体的な対象に向けたサービスを仕込むことで、より「ほっとけないofほっとけない」な方に役立てる、より自分が「好き」だと思えることができるよう準備をしています。

さぁ、「ほっとけない」の、その先へ!
引き続き精進しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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