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食器のコミケ参戦記(2023.2.5)

テーブルウェア・フェスティバル2023に行ってみた

 日本最大級の”器の祭典”と言われるテーブルウェア・フェスティバル。今年は3年ぶりに東京ドームで開催されました。
 ”食器のコミケ”とも呼ばれていると知って初めて参加したのですが、とても楽しかったです。普段近場のお店では目にしない個性的な食器を見ることができて、いい目の保養でした。感じたことをいくつか書いてみます。

年齢層

 まず、参加者の年齢層についてですが、若い人がいないわけではありませんでした。しかし、やはり中高年の方…特にマダムが多かったです。テーブルウェアに興味がある人は年齢を問わずいると思いますが、若い人はお金や時間がない、もしくは興味がないのかもしれません。世知辛い。
 ただ想定よりも盛況でした。伝統工芸展という名前で百貨店で開催されるイベントよりも人は多かったです。テーブルウェアという括りだと和洋問わずに様々な食器を取り入れることができるので、やはり人気が出るのでしょう。

食器のデザイン

 次に、食器のデザインについてですが、今好みの可愛いものが多かったです。特に猫のデザインはウケが良いことを作者さんサイドも知っているのか、非常に多く販売されているように感じました。私もかなりの猫好きなので、ついつい目がいってしまいます。猫好きの方はぜひ来年チェックしてみてください。

はじめてのネコセット!
流石に手が出ない値段の京薩摩キティ様

布や竹は…?

 一方で、日本の伝統的な布製品や竹製品は、どこにもありませんでした。テーブルウェアに取り入れられていないのです。
 まあ「食器」のイベントなので仕方ないですと言えばそうなのですが。開催元がほぼ陶磁器の業者であるせいでしょうか。
 布や竹もテーブルウェアの一部なので伝統工芸を取り込んでいいと思っています。温かみや風合いが活かせるテーブルウェアとして認知されてほしいです。
 かろうじて籃胎(ランタイ)漆器はありましたが、茶筅や茶杓などの竹製品はテーブルウェアの中にありませんでした。茶道では欠かせないものですし、漆器と同じく、日本の伝統工芸です。もっとテーブルウェアとして紹介されてほしいように思います。せっかく日本のテーブルウェア、な訳なので。

北欧ブームの功罪

 最後に、北欧ブームについてです。異様なまでにどこを見ても似たようなデザインが増えていました。拭き漆や、模様がなく削りのみで彩られた白やパステルカラーの陶器・磁器(それもマットなもの)とかがいい例でしょうか。シンプルでモダンなデザインは、生活に取り入れやすく人気があるのは間違いありません。
 とある職人さんに話を聞いてみたところ、金彩の入った漆器が売れないので模様のない拭き漆仕上げの漆器を作ってみたと仰っていました。どの工房でもこのような取り組みはかなり聞くので、競合が多い以上あまり差別化は望めないでしょう。何もわからない人には「無印とどこが違うの?」と言われ、値下げの戦いになってしまいます。
 北欧系のデザインの限られた需要の中で、陶磁器メーカーや漆器メーカーでパイを食い合うのは非常に危険な賭けのように感じました。これに関してはまた別の記事で書いてみたいと思います。

一番北欧っぽい雰囲気のお皿を出品していたのは波佐見焼だったように思います。
オールステンレスだそう。洗い物が効率的だ(?)

私的可愛い作品ギャラリー

伊万里鍋島焼 巒山窯。写真だと分かりにくいんですが、ほんとに素敵な緑です。
骨董品。流石のクオリティ。
福岡県田川郡福智町 守窯。博物館に来たような気分でワクワクします。恐竜にウツボにメジェド…デザインのチョイスがとても良い!

終わりに

 来年も絶対行きます。楽しすぎる。


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