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声なき命からの教え

大好きな先輩が住んでいるという理由で、今の家の場所に引っ越してきた。

引越しの当日、先輩とたまたまランチすることになって近所のカフェにいったが、その帰り道に「あきこちゃんち行ってみたい!」と先輩がいいはじめ(笑)、めちゃめちゃ段ボールだらけだし狭いからまた今度にしてくださいと断ったけれども、なかば強引にルンルンしながら先輩が我が家にやってきた。

「わ~!!!かわいい~!!!素敵!!!!この家でエメ(うちわの専門用語)までできるわね!!」

と言いながら、ご帰宅された。

後日、家の片付けが終わって、友達とタコスパーティーをしていたら、先輩がまた我が家へ来た。

(先輩先輩と、気軽に書いてしまっているが、私と先輩は精神的にも経済的にもかなり大きな差がある、超リスペクトな女性だ。)

インターホンが鳴ったので、ドアをあけると、元気な元気なウンベラータの鉢植えを引っ越し祝いにとプレゼントしてくれた。

先日の強引な訪問は、樹を選ぶために家の様子を見たかったからなのだそうだ。

もう、本当に、なんて素敵な人なんだろう!!!と、さらに大好きになった。

いただいた日から、ウンベラータはもりもり元気に成長していった。

一つ前に住んでいた三軒茶屋の家では、比較的簡単に育てられるアイビーですらカラッカラに枯れてしまったのに、今の家になってからは色んな植物がすくすく育つ。

やはり家の気(=自分の気)というものはあるものなんだな…なんて実感したものだ。

しかし、ここ数ヶ月、そのウンベラータだけがどんどん元気がなくなって、葉を1枚1枚落としていって、しまいにはすべての葉がなくなってしまった。

大事な大事な樹なのに、枯れてしまうのは本当に悲しい。

枯れた理由は…私の気を吸い取って身代わりになってくれたか(笑)、物理的にいうと鉢が小さかったか。

いただいてから、「窮屈そうだな…」と思いながらも、植え替えを行っていなかったのだ。

花屋の友達がいるので、その子にやってもらおう!とか、春になってからの方が良いよな!とか思いながら、どんどん日が経っていき、その間にカラカラになったウンベラータを見てるといたたまれなくなって、時期もちょっと早いかもしれないけど、自分で植え替えをすることに決めた。

そこから1ヶ月ほどして、ようやく新芽が誕生!

気温が温かくなってきたこともあるだろう。



樹は、葉をすべて落としても、根が死んでいなければ、またよみがえることが出来る。

桜の記事にも書いたけれど、一度花を満開に咲かせたり、葉っぱをたくさん茂らせた時期があったとしても、カラカラの枯れ木のときもあったりするのだ。

もしかしたら、人間も一緒かもしれない。

一度、なにかしら結果をだしたり、成功したりしたりしても、そのままずっといけるひともいれば、鼻をへし折られたかのような状況になる人もいる。

私も20代は何度も挫折して苦しかった(笑)

でも、そうして枯れ木のようになったときって、もしかしたら、さらに大きく成長するために器(根を大きく張るための鉢植え)を大きくしなさいという、神様からのサインなのかもしれない。

陰陽説でいうと、根が陰で葉が陽だ。

根(見えない部分)が大きく育たなければ、葉(見える部分、結果)がさらに大きく増えていくことはむずかしい。

また、葉ばかり増えてしまうと、日の当たらない葉ができてしまって、結局枯れたりする原因となる、そのために「剪定(陰)」という作業があるくらいだ。

陰と陽はバランスだ。


人間も実は、神様から剪定されたり、鉢植えしなさいと言われたりしているのかもしれない。


そんなことに、気が付かせてくれた声なき命。
ちなみにそのウンベラータには、佳子さんにちなんで「桂子(かつらこ)さん」という名前をつけている。

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