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0.1.3 人類と言語の分化 世界史の教科書を最初から最後まで
ヒト(人類;ホモ=サピエンス)は、世界各地に拡散し、それぞれの環境に合わせて適応。それにともない身体的な特徴も地域によって分かれていきました。
年間を通して気温の高いエリアでは汗腺が発達し、高山エリアでは酸素の薄い環境に耐えうる身体が発達していきました。
また、人間の皮膚の色、髪の色、瞳の色にもバリエーションが見られるようになりましす。
19世紀になると、ヨーロッパ人(=白色人種と呼ばれました)を頂点に置き、サハラ砂漠以南のアフリカ人(=黒色人種と呼ばれました)を底辺とする「人種」の分類が編み出され、人種によって優劣があるという考えが、科学的に組み上げられていきました(下図、19世紀の人種分類図の一例)。
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一方、人間が自然とどのような関係に置かれているのるかという実感や認識にも、世界各地でバリエーションが見られるようになりました。
キノコのたくさん生えるところでは、キノコの名前や採り方、食べ方、毒キノコの見分け方、客人への振る舞い方に関する知識が発達し、「急に生えたキノコのようだ」といった表現が生まれたり、キノコに関する神話が発達するかもしれません。
植物のほとんど生えないような砂漠では、岩場や涸れ川の名前や、水源の探し方、ヤギやヒツジの繁殖方法やコミュニケーション技法に関する知識が発達し、それに加え、荒涼とした地上の目印にかえて、ひんやり静まり返った夜空に浮かぶ星々の知識が発達していくかもしれません。
言語や習慣はそれぞれの環境に合わせて多様化していきました。このように、文化的な特徴によって分けられたグループを民族といいます。
また、共通の言語から派生した、同じ系統の言語グループのことを語族といい、語族をたどることで民族の系統をある程度はたどることができます。
分け方には諸説ありますが、代表的な語族としては以下のようなものがあります。
①インド=ヨーロッパ語族
世界最大の語族とされるインド=ヨーロッパ語族の研究は、18世紀にインドを支配したイギリスの言語学者ジョーンズによって始まった。彼は古代のサンスクリット語やヒンディー語と、ヨーロッパの言語との間で、文法や単語に類似点のあることに気づき、これらが共通の“祖先”となる言語を共有しているのではないかと考えたのだ。
印欧祖語がどのようなものであったか、どのように広がっていったのかについては、史料がなく、ヨーロッパのルーツ探しという政治的なトピックにもなりうることから、論争が続いている。
・ゲルマン語派
英語
ドイツ語
オランダ語
スウェーデン語
デンマーク語
ノルウェー語
・イタリック語派
ラテン語
フランス語
スペイン語
ポルトガル語
イタリア語
ルーマニア語
・ケルト語派
アイルランド語
スコットランド=ゲール語
ウェールズ語
ブルトン語
・ヘレニック語派
古代ギリシア語
現代ギリシア語
・スラヴ語派
ロシア語
ウクライナ語
ベラルーシ語
ポーランド語
チェコ語
スロヴァキア語
セルビア語
クロアティア語
ブルガリア語
マケドニア語
・バルト語派
リトアニア語
ラトヴィア語
・インド=イラン語派
サンスクリット語
ヒンディー語
ベンガル語
ウルドゥー語
アヴェスター語
ソグド語
ペルシア語
・その他
ヒッタイト語
アルメニア語
アルバニア語
トカラ語
②ウラル語族
ハンガリー語
フィンランド語
エストニア語
モルドヴィン語
③アルタイ語族
トルコ語
カザフ語
ウズベク語
モンゴル語
満州語
④シナ=チベット語族
北京語
広東語
タイ語
ラオス語
チベット語
ビルマ語
⑤オーストロネシア語族
マレーシア(ムラユ)語
インドネシア語
タガログ語
マオリ語
タヒチ語
⑥オーストロアジア語族
ベトナム語
クメール(カンボジア)語
モン語
⑦ドラヴィダ語族
(出典)社会データ図録、https://honkawa2.sakura.ne.jp/8245.html
タミル語
マラヤーラム語
カンナダ語
テルグ語
⑧アフロ=アジア語族
・セム語派
アッカド語
バビロニア語
アッシリア語
アラム語
フェニキア語
ヘブライ語
アラビア語
・エジプト語派
コプト語
・チャド語派
ハウサ語
⑨アフリカ諸語
フルフルデ語(フラニ語)
スワヒリ語(バントゥー諸語に含む場合あり)
コイサン諸語
⑩アメリカ諸語
アサバスカ諸語(ナヴァホ語など)
ユートアステック諸語(ナワトル語など)
マヤ諸語(ユカテック語など)
ケチュア語
帰属に定説なし
日本語
朝鮮語
このたびはお読みくださり、どうもありがとうございます😊