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"歴史" 系 note まとめ

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2019年3月の記事一覧

世界史のまとめ×SDGs 目標③すべての人に健康と福祉を:1979年~現在[後編]

 SDGsとは「世界のあらゆる人々のかかえる問題を解するために、国連で採択された目標」のことです。  言い換えれば「2019年になっても、人類が解決することができていない問題」を、2030年までにどの程度まで解決するべきか定めた目標です。  17の目標の詳細はこちら。  SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)が、「発展途上国」の課題解決に重点を置いていたのに対し、SDGsでは「先進国を含めた世界中の国々」をターゲットに据えています。  一見「発展途上国」の問題にみ

すぐわかる西洋美術史Ⅱ

※こちらは SOUVENI-ART に掲載したものとなります。 西洋美術史 Ⅱ 1. フォーヴィスム 2. キュビスム 3. ドイツ表現主義 4. 抽象美術 5. ダダ 6. シュルレアリスム 7. 抽象表現主義 8. ポップアート 9. コンセプチュアルアート 10. ミニマルアート ※1970年代~現在 1. フォーヴィスムフォーヴィスムはポスト印象派のゴーギャンやゴッホらの感情表現をさらに推し進めました。 ゴーギャンやゴッホらは既に色彩を用いて内面を表現していました

農耕民はサブスクリプションの夢を見たか

少し前に話題になっていたサピエンス全史を読みました。人類が農作物の栽培を始めるようになってから1万年ほど経つのだそうですが、それより前のずっと長い期間(ざっと250万年!)は、マンモスの狩りをしたりイチジクの実を採ったりして暮らしてきました。だから我々の脳や心は今でも農耕よりもむしろ狩猟採集の生活に向いているのだそうです。よく日本人は農耕民族だからなどといいますが、元を正せばすべての人類が狩猟採集民族です。だからわたしたちはマグロ漁師に果てしない憧れを抱いたり、夜中にどうして

「旅する土鍋 リトアニア③」東欧の歴史とスープに想う

1.「宗」と「史」前回は、宗教と食、工芸は切り離せないということを書いたが、さらには統治や戦争、人種問題など歴史的な事柄も根強く食や工芸に残っているということ。今回の訪欧では、歴史、宗教において、はるかに勉強不足を感じた。食と工芸を結びつけた仕事をするには、まだまだ知り得るべきことがたくさんある。知りたいことが倍増し、さらなる興味と好奇心が広がったことは、旅する土鍋リトアニアとポーランド視察の道に感謝している。 2.「創造」と「想像」わたし自身、なぜ創造と想像の仕事に携わっ

1920年代を生きた女性達【日本編】

 先日投稿した1920年代を生きた女性達【海外編】に引き続き、今回は日本での1920年代の女性にフォーカスしてみたいと思う。  当時の日本の女性と言えば、モダンガール(モガ)がまず思い浮かぶ。 モダンガールを簡単に説明すると、海外のカルチャーの影響を受けた女性達が当時の最先端な風俗や流行を体現していた開放的な存在と言える新しい女性像を言う。 以前記事にしたモダンガールに必要なものとはを見てもらうと、モダンガールとしての女性達の生き方を多少イメージしやすいかと思う。  モダ

抽象美術はなぜ生まれたのか?③

前回のポストでは、19世紀に写真が登場したことによって「いかに精緻に、いかに写実的に対象を切り取るか?」というそれまでの美術表現としての絵画の価値観が根底から破壊された経緯を説明しました。 今回はそこからどのような変遷を経て、美術が抽象表現に行き着いたのかを考察を交えながら述べていきます。 その前に、まずは余談から。。。 「19世紀に写真が登場した」と書きましたが、実はカメラ自体は19世紀よりずっと以前から存在していました。17世紀に活躍したあのフェルメールもカメラを使

ラッキーが重なって先進国となった日本。高度経済成長期を考える。

特殊な時代だった高度経済成長期 高度経済成長期はどのようにして起こったか? 歴史を振り返るとラッキーが見事に重なっています。「運も実力のうち」と言いますが、奇跡的な背景がありました。 戦後の復興に明け暮れる日本、貧困で犯罪が多発します。顕在化していない事件・事故は多いと聞きます。そんな戦後の日本、周りを見れば特殊な事情が多発しているのがわかります。 どんなラッキーが起こったか 東西冷戦 東西冷戦の時代、アメリカとソ連の関係は冷え込みます。アメリカは仲間を作るために同盟国

天国みたいで怖かった アイオナ島

まさかスコットランドで白い砂浜&青い海を見られるなんて思ってはいなかった。 美しいビーチと可愛らしい家々、小さな規模でゆっくりのんびり暮らす島民たち。 老後はここに住みたい…とうっとり話す観光客の声を何回か聞いて、本当にのどかでいいところだなぁとは思った。 でも、でも私にとってはなんか怖くて落ち着かない。 これだけ平和な空気の中で、島民は全員闇の魔術で世界を呪い殺そうとしてる…みたいな想像を勝手にしてしまって(ダークな海ドラの見過ぎ)、きれいだけど、こわいよーこわいよー😱

100年前の英文契約書をテキストデータにしてみた

このマガジンではアメリカに移民していた曽祖父・保次郎のことを紹介していますが、ハワイへ渡航→米国本土上陸→結婚→家族が増える、という経緯を写真と共に辿るパターンに飽きてきたので、今回はちょっと趣向を変えます。 父の実家の蔵にあったボストンバッグには、写真と一緒に英文タイプされた書類が複数入っていました。 どうやら1920年代に作成した農業の雇用契約書や農場の賃貸契約書らしいのですが、これが契約書だということを理解したのはつい最近、昨年末くらいのことでした。 発見当時の1