【なぜ個人投資家は負け続けるのか】【投資家3タイプ〜あなたはどのタイプ】
個人投資家は、80%〜90%負けているという話を聞いたことがあると思います。
昔から言われていることですが、データを見ると、嘘でも幻でもなく、
現在進行形の事実です。
…辛い。
何故でしょうか。
勿論、色々な理由はあるのですが、
私が考える一番大きな理由は「人間の本能」のせいだと思います。
残念ながら、普通の人間は、投資で負けるように脳がプログラムされてしまっています‥
本能には逆らえません、、
これは、世界各国の研究結果でも出ています。。
‥更に辛い。。
今回は、その負け本能って何なのか、どうすれば勝ち組になれるのかを書きます!
【負け本能とは】
ディスポジション・エフェクトという言葉をご存知でしょうか?
言葉の意味を知っていたら、相当金融リテラシーが高い。。
これが負け本能の正体です。
簡単にご説明しますと、
値上がりしたらすぐ利確、値下がりしたらずっと損切りしない投資家の傾向です。
自分のことだ…と思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。
ディスポジション・エフェクトの研究は、Odean(アメリカ人)が有名です。
少し古いですが、1987年から1993年までの162,948件に及ぶ株式取引デー タをもとに、
実現利益比率(PGR) = 利益獲得の売却銘柄数 ➗(利益獲得の売却銘柄数 +未実現利益が存在する保有銘柄数)
実現損失比率(PLR)=損失実現の売却銘柄数 ➗(実現の売却銘柄数十未実現損失が存在する保有銘柄数 )
PGR>PLRという関係の成立が、ディスポジションエフェクトの存在と整合的となると証明しました。
ここで訳わからないと、そっと読むのをやめないでくださいね笑
ここはスルーで全然OKです。
ShapiraとVeneziaというイスラエル人が、同じ研究をしており、こちらが分かりやすいです。
彼らは、投資家が、値上がり銘柄と、値下がり銘柄を、どのくらいの期間、平均保有するのか研究しました。
研究の結果、値下がり銘柄の平均保有期間は63日、値上がり銘柄の保有期間は20日でした。
圧倒的に、値下がり銘柄の方を長く保有していますよね。
これ、初めにディスポジション・エフェクトの定義で説明した
値上がりしたらすぐ利確して、値下がりしたらずっと損切りしない投資家の傾向
如実に表れています。。。
私も投資を始めたばかりの頃、ディスポジション・エフェクトの研究論文を読むと、自分に当てはまりすぎて泣きそうになりました。。
泣きそうだけど、これこそ脳のプログラムだから仕方ありません。。。。
【投資家3タイプ】
ここで突然ですが、証券アナリストなど、ファイナンスの勉強をしていると、
投資家は3タイプに分けられると教科書に書いています。
リスク愛好タイプ
リスク中立タイプ
リスク回避タイプ
上記の3タイプです。
あなたがどのタイプか、次の簡単な質問で分かります。
AとBどちらを選びますか??選んでみてください!
A:無条件で500円がもらえる
B:コイントスで表が出たら1000円、裏なら0円
聞くまでもないのですが、恐らくほぼ全員がAを選んだのではないでしょうか。
Aを選んだ方は、リスク回避タイプです。
実は、このリスク回避タイプ、恐らく猿から進化していく過程で、
人間の脳に本能として刻み込まれたのでしょう。。
目の前に、落ちているドングリ、崖を飛び越えた所にあるお肉
多くの猿は、本当はお肉がいいけど、確実などんぐりを拾って食べます。
肉を選んだ場合、下手したら崖から落ちて死ぬし、どんぐりを選べば、美味しくないけど、確実に食べれて餓死の危険も減ります。
現代ポートフォリオ理論という投資理論も、
投資家は全員リスク回避タイプだという前提で研究が進められています。
ちなみに、リスク愛好タイプは、迷わずBを選びます。
何せ、リスクが大好きなので、500円なんかより、一か八か、倍の1000円が欲しいのです。
ギャンブラー気質ですね。
目の前のドングリなんて脇目も振らず、崖に向かってダイブするタイプの猿です笑
リスク中立タイプは、AでもBでもどっちでもOKって答えます。
なげやりな訳ではなく、冷静に計算して、
AもBも貰える平均額は500円で一緒じゃんと考えるからです。
※これは期待値という考え方ですが、また詳しく書きます。
(例)
Aは、100%の確率で500円もらえるから貰える平均額500円
(式)500円×100%=500円
Bは、50%の確率で1000円、50%の確率で0円なので、平均額500円
(式)1000円×50%+0円×50%=500円
いやいや、それはそうかもしれないけど、普通、確実に貰えるAを選ぶでしょ!
リターン平均だけ一緒という部分のみに着目して、リスク(Bを選んだ場合、0円になる可能性)を、一切考えないタイプの投資家なのです。。
なんか人間的ではない思考回路ですよね。。
一瞬で、期待値を計算して、期待値一緒なら、崖から落ちることなんてどうでもいいし、ドングリでも肉でもどっちでもいいや、なんて考える猿は、あまりいないと思います。。
ここまで読んで頂くと、なるほど、ディスポジション・エフェクトの傾向がある
一般的な投資家は、リスク回避タイプ
なんだなと思うでしょう。
別に、必死にリスクを回避して、僅かでも利益をゲットするなら、リスク回避タイプでもいいじゃんと思うかもしれません。
しかし、これは半分正解で、半分間違いです。
実は、ごく普通の感覚の人間
負け組投資家は、
利益が出ている時は、リスク回避タイプで、
損失が出ると、リスク愛好タイプに変身するという研究結果が出ています。
利益がでている時は、小さくてもいいから利益を確実に受け取りたいと望み、
損失が出てしまうと、急に追加の損失を恐れなくなり、
倒産する可能性もあるかもしれないのに、一か八か、
最低でも買値に株価が戻るのを待とうとしてしまうのです。。
この最悪な組み合わせの思考回路が脳にインプットされているからこそ、
個人投資家は80%〜90%負けてしまうのです。。
オーマイゴット。。神はいません。。
分かりやすく、また猿で、ご説明しますと、
ドングリ(僅かな利益)で諦めようと思ってたのに、
横からリスが横取りして逃げていきます
ドングリすらもなくなると(僅かな利益がマイナスに転落)
諦めていた、めちゃ危険な崖を、急に飛び越えて肉を取ろうとしてしまうのです。。(損切りせずに倒産までガチホ)
最悪の組み合わせですよね。
しかし、この本能に打ち勝つのが滅茶苦茶難しいので、
この行動は合理的でないと分かっていても、個人投資家は負け続けます。。
【勝ち組投資家になるには】
では、どうすればいいのか。。。
まず、自分にはディスポジション・エフェクトの傾向があることを潔く認めて、
弱い人間だと受け止める。
そして、ルールを作り、守ることが重要です。
私の場合、シナリオが変わらなければ、一旦20%の利益まで我慢、
その後はダブルバガーまで我慢、その後はガチホ
自分が知らない情報が出てきたり、自分が考えているシナリオ、前提が間違っていたらすぐ損切りする
といったルールを課しています。
負け組投資家は、損銘柄を長く、利益銘柄を短く保有している訳ですから、
反対取引になるようなマイルールを作るといいでしょう。
あと、研究によると、長年生き残っている投資家は、
本能を抑えて合理的に行動できるようになっていくことが分かっています。
つまり、投資初心者の間は、大きな勝負をせずに、小さな金額でも、沢山の試行を行い、経験値を上げていくことが重要です。
本能に逆らう投資経験を何度も積む事で、投資家として次のステージに行けます。
あと、私のnoteも読んでください笑
ちなみにですが、短期で億り人になる投資家のほとんどが、
純粋なリスク愛好タイプの投資家だと思います。
リスク愛好タイプで億り人になった人、
SNS上に沢山いますよね。
いきなりフルレバレッジの全財産を賭けた大勝負に勝利!!!!
リスクの取り方が、ぶっ壊れてます。
リスク愛好型は、大勝ちするかもしれませんが、
下手したらお金が増えることより、ギャンブルやスリルを愛しているので
大負け、大破産みたいな可能性が常に付きまといます。
リスク中立型は、リスクを考えずに、期待値だけを考えている機械的な人なので、
人間的ではないし、ある意味無敵の投資家なのかもしれません。。
生活してきた環境や、遺伝の問題もあるので、自分の意志でタイプを変えるのは、
ほぼ不可能だと思います。
私は、投資界で最弱の、利益時リスク回避、損失時リスク愛好タイプなんだと、
自分を受け入れて、
本能に逆らえるよう日々頑張っていきます(泣)
皆様の投資の際の参考になれば、幸いでございます。
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