私たちにできる気候変動アクション by 大矢真実 / 田園調布学園高等部(東京)#気候変動に対策を

SDGsの1つに気候変動についての目標が掲げられていますが、なぜ世界で気候変動が問題視されているのか、まず気候変動って一体何だ!?私たちに何ができるのか、その悩み、私が解決します。

ーーーー《このレポートでわかること》ーーーー
・今、気候変動がヤバい!!
・ユーグレナで飛行機を飛ばす!?
・ペンギンは氷がなくなったほうが便利!?
・〜気候変動は他の問題とも関係している〜
・SDGsに関するアンケート【結果】
・私たちにできる気候アクションとは
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今、気候変動がヤバい!!

世界で問題視されている気候変動。このままではヤバいと騒がれているけれど、一体なにがヤバいのか分かりますか?

世界で起こっている気候変動の中で、1番深刻化しているのが地球温暖化です。地球温暖化とは、人間が排出した温室効果ガスによって太陽からの熱が地球の外に逃げにくくなり、世界の平均気温が上昇していく現象のことです。


地球温暖化がこのまま進むと、2100年には地球の平均気温は4.5度も上昇してしまうと言われています。


人間の活動によって排出される温室効果ガスの主な種類は、

・二酸化炭素
・メタン

であり、その割合は9割を超えます。そして、地球温暖化に1番大きな影響を及ぼしていると言われているのは、ほとんどが石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃やしたときに排出される二酸化炭素です。【図1】

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【図1】人間活動によって排出される温室効果ガスに占める割合(気象庁より)


これらの温室効果ガスによって、今、地球温暖化が深刻化しているのです。


「結局、気候変動の何がヤバいの??」


気候変動によって、地球温暖化だけでなく干ばつや貧困層における食糧不足、感染病のリスクに悩まされ、さらには将来の世代にまで影響することがヤバいのです!!

ーーーーーーー《まとめ①》ーーーーーーー
・主な原因は温室効果ガス
・1番大きな影響をもたらしているのは二酸化炭素
・地球温暖化によって、貧困層・将来世代にまで影響がある
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そして、【図1】のグラフから読み取ると二酸化炭素の割合が8割を超え、メディアなどでは二酸化炭素の排出量を減らす取り組みが紹介されていますが、本当の恐怖はメタンにあると私は考えます。


〜なぜメタンなの?〜

①メタンガスには、二酸化炭素の約25倍の温室効果があるから。 
 
メタンガスを大量に放出する動物として、牛が挙げられます。牛は1日に、おならやゲップで160〜320リットルのメタンガスを放出しています。メタンガスは二酸化炭素に比べて約25倍の温室効果があります。

また、豚や鶏に比べて温室効果ガスの排出量は6倍以上とも言われています。【図2】なぜこれだけ大きな数字になっているのでしょう。

それは、牛は食べたエサを胃の中の微生物が発酵させることで消化しやすくし、そのときに発生するメタンガスをゲップとして放出しているためです。

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【図2】

②進むヴィーガン化

モデルやアスリートを始め、様々な分野から注目されているヴィーガン食は、環境に優しいとして、近年日本でもヴィーガン食ブームが起こっています。SNSでも、「#ヴィーガン」と検索すると75万件以上タグ付けされています。

ヴィーガンとは、卵や乳製品を含む動物性の食品を口にしない人のことです。

ヴィーガンのメリットは、

・肉を食べないことで、温室効果ガスの削減につながる
・心から健康になれる
・美容にも良い

と、いいこと尽くしです。十分な栄養バランスを考えた上で、少しずつヴィーガンを取り入れることにより、体にも環境にも優しい世界を目指せると感じています。

ーーーーーーー《まとめ②》ーーーーーーーー
・メタンは二酸化炭素の約25倍の温室効果がある
・特に牛はメタンガスの放出量が多い
・ヴィーガンに変えるなどの、環境に優しい取り組みが必要
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ユーグレナで燃料をつくる!?

テレビcmでも放送され、健康食品として高い効果が期待されているユーグレナですが、その正体は、


ユーグレナ = ミドリムシ


ユーグレナの正体はミドリムシです。ミドリムシと想像すると、微生物というイメージが強いですが、実は植物の要素もあるのです。【図2】

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【図2】

「植物なの?動物なの?!」


ユーグレナ(ミドリムシ)は藻の仲間で、葉緑体を持っているため光合成を行うことができます。

一方で、鞭毛(べんもう)と呼ばれる、体を変形させて泳ぐことができる機能を持つため、自身で動くこともできます。ユーグレナは、植物でも動物でもない、不思議な生き物なのです。

ーーーーーーー《まとめ③》ーーーーーーーーー
・ユーグレナは藻の仲間
・植物、動物の両方の性質を持つ不思議な生き物
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株式会社ユーグレナでは、主に、

・ヘルスケア
→健康食品、化粧品

・エネルギー
→バイオ燃料、飼料


の事業を行なっています。

①ヘルスケア
植物と動物のそれぞれの性質を持つユーグレナは

野菜に含まれるビタミン、魚に含まれるDHAをはじめとした59種類もの栄養素があります。そして、それを手軽に摂取できる食べ物・飲料にしたり、オールインワンになっているスキンケア商品ですべての人の健康を支えます。

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②エネルギー
ユーグレナからエネルギー!?と疑問に思った人、いるのではないでしょうか。実はユーグレナは燃料も作ることができるのです。ユーグレナの体内の油を抽出し、余分な酸素を処理して燃料ができます。

そうしてできた燃料で、今、バスや飛行機が飛んでいるのを知っていますか?その燃料のことをバイオディーゼル燃料といい、多くのメリットがあります。

〜バイオディーゼル燃料がもたらすメリット〜

1.カーボンニュートラル
燃焼するときには二酸化炭素を排出するが、光合成によって二酸化炭素を吸収するので、実質二酸化炭素の排出量がプラスマイナスゼロになる状態のことです。

光合成をすることができるユーグレナは、その成長過程で光合成により二酸化炭素を吸収することができます。

2.リサイクルできる
コンビニのホットスナック商品を調理するときに使用した廃食用油を回収し、その一部をバイオディーゼル燃料としてリサイクルすることができます。

また、大手コンビニチェーンのセブンイレブンでは、ユーグレナのバイオ燃料でペットボトル回収車の走行を始めました。横浜市内の店舗に集められたペットボトルを、このバイオディーゼル車1台で回収します。

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ーーーーーーーー《まとめ④》ーーーーーーーーー
・ユーグレナはヘルスケア商品、燃料として活用されている
・バイオディーゼル燃料は様々なメリットがある
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ペンギンは氷がなくなった方が便利!?
このタイトルを見て、

「氷が無くなったほうが便利ってどういうこと!?」
 
と感じた人も多いと思います。
南極に住んでいるアデリーペンギンですが、国立極地研究所の渡辺佑基さんの研究により、氷が無い方がペンギンにとって便利だということがわかりました。

<調査方法>
渡辺さんはバイオロギングという方法でペンギンの生態を調査しました。バイオロギングとは、

ペンギンの体に小型のカメラをつけ、データを記録し整体を調査する

というものです。ペンギンのバイオロギングで分かったことは、
エサ(オキアミ)の食べる量が多い


ことです。なんと、アデリーペンギンが一日に食べるエサの量は、4kgの体重に対して800グラム

そして、10年に一度と言われる海水だけの南極では、ペンギンの行動範囲は広くなり、ヒナの成長率は高くなったことが分かったのです。


「なぜ??」

それは、氷が無くなったことにより、

①自由に潜れるようになった
②エサの栄養が高くなった

からです。海に潜るのに毎回氷の割れ目を探す必要が無くなり、自由に泳ぐことが可能になったペンギンは、効率よく行動し行動範囲を広げました。

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行動範囲を広げたペンギン(11/10講義スライドより)

また、海水に太陽の光が差し込み、エサのオキアミが光合成をしたプランクトンを食べることで栄養が豊富になりました。それをペンギンが食べることでヒナの成長率も高まりました。

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ヒナの成長の変化(11/10講義スライドより)

ーーーーーーー《まとめ⑤》ーーーーーーーー
・氷がなくなったことによって、南極に住むアデリーペンギンにとっては良い環境がそろった
・行動範囲が広がり、ひなの成長率は高まった
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〜気候変動は他の問題と関係している〜
ここまで気候変動と生き物の関係を紹介してきましたが、気候変動はSDGsの他の問題とも関係していることを知っていますか?

冒頭でも説明したように、気候変動によって動物の生命が脅かされるだけでなく、異常気象による干ばつ・豪雨災害も起きています。さらに、貧困層における感染症(エイズなど)のリスクが高まったり、将来の世代にまで影響が及ぼされます。


気候変動だけで見ると地球温暖化を食い止めなければならない、と考えがちですが、他の問題にも目を向けて誰もが住みやすい、持続可能な社会を作る必要があります

ーーーーーーー《まとめ⑥》ーーーーーーーー
・気候変動だけに目を向けたら良いという問題ではない
・視野を広げて誰もが住みやすい社会にする必要がある
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SDGsに関するアンケート【結果】
131人の中学生〜社会人に独自にアンケートを実施しました。

目的:
①中学生〜社会人がSDGsについてどれくらい興味・関心があるのか調査するため。
②アンケートを実施し、回答者の疑問や意見から私たちにできることを見つけるため。

質問1:学年を選択してください。

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質問2:あなたは、SDGs(持続可能な開発目標)を達成したいと思いますか?

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この質問に90%近くの人が「はい」と回答しました。

質問3:SDGsについて、どのようなことを知りたいですか?(分からないことは何ですか?)

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SDGsとはなにか知った上で、”SDGsの世界の取り組みを知りたい”という回答が多数寄せられました。また、質問2で多くの人がSDGsを達成したいと回答した一方で、

”そもそも分からない”

”具体的にどのように行動したら良いか分からない”

といった声が上がりました。学校などで”SDGs”という言葉を目にしたり、耳にしたりする機会が増える中で、実際に行動している人は少なく、まだまだ理解が深まっていないと感じました。


〜私たちにできる気候変動アクションとは〜
私はこの探究活動を通して、学びや発見が沢山ありました。また、実施したアンケートから課題も見つかりました。そこで、今日から始められる、日々の生活に+1できるようなアクションを提案します。

①ヴィーガンにする

ヴィーガンには様々な種類があります。ヴィーガンとは卵や乳製品を含む動物性の食品を口にしない人のことですが、部分的にヴィーガンに切り替えることで環境に配慮することができます。

セミ・ベジタリアン→基本的に植物性の食品を食べますが、肉類も食べることができます。柔軟性のある食生活を送ることができます。

ペスカタリアン→野菜、乳製品、卵、魚を食べる人のことで、ペスカタリアンの人は肉を食べる人よりも温室効果ガスの排出量が約46%排出量を抑えることができます。


②移動手段を変える
身近にできるアクションの1つとして、移動手段を変えることが挙げられます。私達の家庭から排出される二酸化炭素のなかで、「移動」に占める割合は2割です。

自動車よりも電車やバスなどの公共交通機関、それよりも徒歩・自転車を利用することで二酸化炭素の排出量を抑えることができます。また、自動車はエコカーに変えることで、二酸化炭素の排出量を大幅に削減することが可能です。

ーーーーーーーー《まとめ⑦》ーーーーーーーー
・ヴィーガンにする、移動手段を変えることで、私たちにできるアクションを起こすことができる
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#せかい部 ×SDGs探究PJを終えて
私は、今回の探究活動で新たな発見がたくさんありました。この活動に応募した当初は、SDGsは向き合わなければいけない問題だが、世界で決めた目標で規模が大きく私には難しいと感じていました。

しかし、さまざまなプログラムを受けていく中で私に何ができるのか、どんなことをしたら日本、そして世界のために貢献できるのか考えるようになりました。また、全国の高校生と意見交換をすることで、自分にはない考えを持つ人が多く刺激を受けました。


コロナ禍だからこそ開催できたオンライン活動でつながれたこと、とても感謝しています。171人の高校生レポーター、講義してくださったナビゲーターのみなさん、そして開催にあたりサポートしてくださった文部科学省の桜木由美子さんを始めとした運営の皆さん、2ヶ月間本当にありがとうございました。


田園調布学園高等部(東京)大矢真実 
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(気候変動に対策を)

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