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「○○していい?」「ダメ。弟が(妹が)真似するから…」がもたらす影響とは?

兄弟、姉妹あるあるのこちらがテーマです。
百貨店を歩いていたら、こんな会話を耳にしました。

子「ね~、(買い物袋)持ちたい」
大人「だめ、あなたが持つと弟(妹)が真似するから」

これは保育園あるあるでもあります。「小さい子が真似するからやめて」という感じです。今日はこれをテーマに、いくつかの質問を通じて本質を感じてみましょう。

「だめ、真似するから」の本質とは?

今日聞いたお子さんの言葉は、「○○持ちたい」と言うことでした。
お子さんの想いの本質として考えられるのは、
・お母さんが大変だから、手伝いたい
・興味があるから、持ってみたい
・自分だって持てるよ~と伝えたい
などかもしれません。

では、これに対して「だめ、真似するから」の意図とはなんだったのか。
考えられるのは、
・弟(妹)が持とうとすると、結局うまく持てなくて大変
・帰るのが遅くなる
・兄弟喧嘩が起きそうで困る
などかもしれません。

何が育つのか。何が育たなくなるのか。

「だめ、○○が真似するから」と制する大人の言葉。
たしかにそのとおりです。そうなると困るのも、きっと事実。ただ、100%そうなるかどうかは、蓋をあけてみないと分かりません。

でもここで最も重要なのは、
大人の言葉によって、お子さんの何が育ち、何が育たなくなるのか
です。

大人が子どもに声をかける場合、どんな言葉でも少なからず子どもたちの育ちに影響を与えます。それは、いい面でもよくない面でもです。”いい”とか”わるい”というより、そのどちらにも関わるのです。

だから、両面考えることが非常に大事なのです。
でも、我々大人はなぜか、「育たなくなること」についてはあまり考えることができません。不思議なくらいに。

気持ちに寄り添って考えてみよう

「だめ、○○が真似するから」と制する大人の気持ち。人それぞれ、シチュエーションごとにダメな理由は違うと思います。「やめてほしい・・・」というあなたの気持ちは、間違いではありません。気持ちを感じ尽くしてみてください。

同じように、お子さんの気持ちにも寄り添った方がいいかもしれません。

善意は簡単に潰れる

もし、お子さんの「○○したい」の裏に(今回でいうと「持ちたい」の裏)、あなた(お父さんやお母さん)のためという気持ちが隠れていたとしたら??

このケースと似たもので、お子さんが自分のことよりも弟(妹)さんの手伝いをしたがるとき。ついつい大人としては、「人のことはいいから、自分のことをやりなさい」と言ってしまいます

子どもたちの”善意”は、大人の一言で簡単に潰れます

「だめ」と言われた先に。「やらなくていい」と言われた先に、果たしてお子さんは同じようなシチュエーションで「持ってあげるよ」「やってあげる」と口にするでしょうか?「どうせ、またダメって言われるし・・・」と、あなたが子どもだったら思ったりしませんか。ですのでそうならないように、お子さんの「○○したい」とか、その言動の裏にどんな気持ちや想いがあるのかを、お子さんの立場にたって考えてみることが大切なのです。

ワーク①
「ダメ、○○が真似するから」と言った事がある方。そのとき、どうしてダメだったのでしょう?そしてあなたの中に、どんな気持ちが渦巻いていたのでしょう。感じられるようであれば、ゆっくりと感じてみてください。
ワーク②
「ダメ」と言われたお子さんの気持ちを、お子さんの立場にたって感じてみてください。お子さんであるあなたは、なぜその行動をしようとしたのでしょう。そして「ダメ」と言われて、どんな気持ちが芽生えるでしょう。

あなた自身を責める必要はありません。ただただ、お子さんの立場で感じてみるだけで大丈夫です。
ワーク③
「ダメ、○○が真似するから」と言われて、お子さんの中で何が育つ(育まれる、記憶される)と思われますか?

また、そう制されることで、お子さんに何か概念や考え方が記憶に刻まれるとしたら、それはどんな概念や考え方でしょうか。それによって、お子さんの何が育たなくなると考えられますか?

「ダメ」と言ってもいいのです。ただし。

お子さんに「ダメ」というのがいけない、というわけでは決してありません。やむを得ないとき。急いでいて時間がないとき。疲れ果てているとき。色々と仕方ないこともあると思います。同じように、つい感情的に怒ってしまうこと、これも決していけないわけではないと僕は考えています。

ただし、自分を。そのときのお子さんのことを、振り返る。

これは、大切だと思うのです。
僕たち大人の一挙手一投足をみて、子どもたちは育っています。軽く口にした一言で育つこともあれば、育たなくなる(折れる)こともある。それだけ影響力がある存在なのだということは、間違いありません。

ダメだと思う自分の気持ち。ダメな理由。そして子どもたちの気持ち。
これらをぜんぶ受け入れ、振り返る。そして、「どう感じたか?」「あのとき自分はどうだったか?」「あのとき、お子さんはどう思ったのか?」を子どもたちと腹を割って話し合えば、信頼が一層深まる絶好の機会になるかもしれません。


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執筆者は、森のようちえん『さんさんぽ』を主催している
保育士さんたこと、ひがしなおやです。

・自分のことが大好きな子に。
・ありのままのその子に。
・自分事で考え、自分で決め、自分で動く子に。

そんな願いを込め、ちょっと変わった保育を実践しています。
横浜市近郊にて、平日毎日開催を目指し園児募集中。家族で保育を体験できる「休日さんぽ」も毎月開催しています。

森のようちえん『さんさんぽ』
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自分の内側から”答え”を導くセッション ライフ・デザイン・メソッド
ファシリテーターもしています。
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