ものの見方

「私綺麗?」
顔を覆う大きなマスクをした女が男に尋ねる。
「美しさなんて所詮頭に植え付けられた価値観の上で揺蕩う幻覚だ」
「じゃあ私は?」
マスクを取ると口が裂けていた。
「浅ましい」
女が刃物を取り出す。
「他人に評価を委ねるその姿勢のことだ。俺と来い。お前の美しさを見出してやる」

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