”美容師”を辞めて”着物テーラー”になった理由

おはようございます。
大自然の中で暮らしたいと思いつつ、若いうちは東京で一旗あげようと思っている巧流-call-の誠也です。

最近”初心”というものを考える機会があったので
中学生の頃からの夢であった『美容師』を辞めて(たまにやっているけど)
『着物テーラー』へと転身したのかについてお話していきます。
※話長くなりがちな僕ですが、なるべく短くまとめるので見てくださいね。あと、いいハナシなので。

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家族の分裂
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中学生の頃からずっと美容師になりたいと夢を描いていました。

せっかく美容師になるなら
日本で一番激戦だと言われている『東京』で挑戦したいと思い
高校卒業後、東京の専門学校へ入学することになりました。

「自分でやりたいことだから、自分で学費を出す!」と勢いよく
両親に伝えてしまったので、もちろん高校生のアルバイト代だけではそんなの無理で
バイト漬けの専門学生時代を過ごしました。

睡魔と空腹が常に襲っていたので
自分以外のものになかなか目を向けることができず
実家の出来事にあまり耳を傾けていませんでした。

そんな中、事件が起こりました。

祖父の代から受け継いできた和裁学院兼仕立て会社の倒産
そして両親の離婚が一気に襲ってきました。

僕は家族が大好きなんです。
そんな出来事を聞いてそれはそれはポカーンとなりました。

でも家族は仲良くいたので
両親が離婚しても今までとはそんなに変わらず関わっていけるだろう。
そして父親と兄でまた新しく小さな会社を立ち上げるということを聞いたので
そんなに心配することはないだろうと思っていました。

それから1年経ったある日。
実家を継ぐために必死に和裁士(着物を手縫いで仕立てる職人)の修行をしていた兄が、和裁士を辞めることになったのです。

僕はそれを聞いたとき”危機”を感じました。

これはよくない。
家族がバラバラになる。
僕の大好きな家族がバラバラになってしまう。
なんとかして絆を繋がなければならないと思いました。

それと同時に『着物業界復興』という大きな使命が
なんとなく降ってきたことをよく覚えています。

なけなしの貯金から、帰省費用を絞り出し
実家の長崎へ帰り、兄と父を飲みへ連れ出しました。

そこで伝えたかったことは1つだけ
『にいちゃん、一緒に会社を作ろう』でした。

『和裁の業界を引っ張ってきた”元山家”が後継者がいないとなると
和裁の業界はどうなってしまうんだ。
和裁の業界がなくなれば
着物業界は続くはずもない。
元山家はそれだけ大きい使命があるんだ。
僕ら兄弟にはこの伝統を受け継ぐ使命がある。
和裁の業界は衰退していくのは目に見えてわかっている。
なら、まず着物業界から改革を起こし、進化させ
伝統を受け継いでいきたいと思っている。
だから、頼む。にいちゃん。
その夢を手伝ってほしい。一緒に会社を作ろう。』

そんな熱い話をさせてもらいました。

会社が潰れても、両親が離婚しても
新たに立ち上げた会社があれば
絆は存在しなんとかなるだろうと思っていましたが
兄が辞めるとなると家族はバラバラ。
誇りに思っていた『元山家』も伝統を受け継がないまま
この世になかったものとなってしまう。

それだけは絶対に嫌だ。

俺らがなんとかしないといけない。

そんな思いを、感情のままに伝えました。

すると兄はこう答えました。

『そうか、そうだな。
わかった、一緒にやろう。
ただ、3年、待ってくれ。
今新しく始めたカーディーラーの仕事で結果を出したい。
3年で結果を出すから待ってほしい。』

そうして3年後の約束を飲み屋で交わしました。

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会社設立
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それから3年経とうとしていたある日、兄から連絡がありました。

『出せたよ、結果。
九州で1位の実績を残すことができた。
東京で表彰式があるから、飲み行こうよ。』

そんなかっこいい言葉を僕にくれました。

そして飲みにいき、語り合いました。

その後、長崎に戻ってすぐ辞表を出し
上京してくれることになりました。

それからいろんな人に
こんな思いをもって起業するんですと語り歩き
東京を周り、いろんなインスピレーションを受け
経営の知識はほぼゼロのまま
2019年2月に起業することとなりました。

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まとめ
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僕らが起業したのには
着物という伝統を受け継いでいく、職人をもっと持続可能にするという使命があるという理由があります。

でも、それ以上に
熱い想いをもって起業したのには
家族の繋がりを切りたくないという想いがあったんです。

このことはあまり話したことがありませんが
初心に帰って考えているときに
このことは巧流-call-を応援してくださる方には
知っていてほしいと思い、今回記事にいたしました。

僕の企業のきっかけはこんなところにありますが
実は兄には別の企業の理由があるんです。

僕が真面目な顔をしてこんな話をしているとき
兄に聞いたことがあります。

僕『巧大くんはなんでこんな大変な業界で
僕と一緒に頑張ってくれると?』

兄『俺、着物屋やってるんすよね。
これ、めちゃめちゃかっこよくない?』

人生はいかにかっこつけた生き方ができるのかに
挑戦している兄と一緒に立ち上げた『巧流-call-』です。。笑

そんな2人が喋っているYouTubeチャンネルがありますので
是非いじってくださいませ。

元山兄弟と粋って生きよう


以上、着物テーラーの誠也でした。

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