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セイタロウデザインに映像事業部ができた理由と、学生さん22名が手伝ってくれたプロジェクトなど。

こんにちは。セイタロウデザインのプロデューサーの小林(@asuca_mcl)です。

年末に怒涛の記事を3本書いたらすっかり力尽きてしまいました。

というのは流石に大げさですが、年が明けてからふわふわバタバタしていたら、あっという間に1月が終わってしまいました。2021年恐るべし。

最近面白かったことは、東京オペラシティ アートギャラリーの千葉正也個展に行ったら、会場を亀が歩き回っていたこと。(なんとこの展示の作品は、人間の目線ではなく、亀の目線に合わせて配置されているとのこと!)

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亀が会場内をものすごい速さで歩いていて「亀ってこんなに早く動くんだ!」とびっくりしたかと思ったら、展示室から廊下に出るまでのトンネルを抜ける出口のところで急に止まって、そのトンネルを出るか出まいかひたすら思案している様子に笑ったり。

動物はあまり好きじゃないのですが、生き物って面白いなぁ、見ていて飽きないなぁと思って亀を観察した1日でした。あの亀のように、時には思考する時間も大切にしながら今年を過ごしたいと思います。

そんなところで、2021年1本目は、昨年9月からスタートした企画シリーズ「今月のニュースレターの裏側」vol.5をお送りします。

セイタロウデザインでは、名刺交換をしたクライアント・パートナー会社・メディアの方々に向けて、月に一度ニュースレターを配信しています。
その月にあったニュースから、最近納品・お披露目したプロジェクトをご紹介しているのですが、せっかくなので、これからnoteで、このニュースレターの内容を、個人的なコメントと一緒にご紹介していこうと思います。

【TOPIC_1】映像プロデューサー佐藤が参画し、映像事業部を設置しました。

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以前から映像案件でチームを組んでいたプロデューサーの佐藤 恵がセイタロウデザインに入社し、映像事業部を設置することになりました。
コロナ禍により直接的な営業ができないことや、オンライン上でのプロモーションが求められていることから、昨年後半より映像案件のお問い合わせも増えています。
TVCMに限らず、企業・商品・サービスの世界観を訴求するブランドムービーや、未来像を描くフューチャービジョン・ムービー、商品・サービスの強みを訴求するプロモーションムービーなど、企画から撮影・編集まで一貫してお手伝いできますので、映像のご要望があればお気軽にご相談ください。

今回のビッグニュースは映像事業部立ち上げのお知らせ。セイタロウデザインにまた強力なメンバーが増えました!

佐藤はこれまでもセイタロウデザインが企画・ADを手がけたムービー案件をいくつも一緒に形にしてくれた、頼れる映像プロデューサーで、長年のオファーが叶ってついにこの1月からジョインしてくれました。

クライアントやスタッフに頼られるあたたかい人柄と、映像の細部にまでこだわるものづくりへの熱い想いを持ち合わせた人です。

1月から入社した佐藤は私の隣の席に座っているのですが(今までも色々と一緒にやっていたので、新鮮さはありません(笑))、今回は、仕事に追われている佐藤にインタビューしてみました。

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Q. 最初にセイタロウデザインとやった仕事は何ですか?当時のセイタロウデザインはどんな印象でしたか?

A. 最初はSEEDの福士蒼汰さんを起用したwebムービーでしたね。

知人のコピーライターからの紹介で北参道にオフィスがあるころに出会いました。挨拶したときに「山崎です。」ではなく「セイタロウです!!」が印象的でしたね(笑)(佐藤)

Q. いくつかプロジェクトを一緒にやっていますが、セイタロウデザインとの仕事の中で特に思い出深い映像作品は何ですか?

パナソニックのレッツノートの動画のお仕事をいただいた時に、構成上、どうしても海外でのロケにいかなければならない、でも予算が限られている。
そういった状況の中で行った1泊2日のフィリピンロケが印象的です。

後にも先にも1泊2日の海外ロケはないかと思います。疲れ果てて夜遊びに行けずに寝てしまいました(笑)(佐藤)

Q. 佐藤さんが今まで手がけた作品の中で、代表作は何ですか?その理由も教えてください。

僕の代表作は雪印メグミルクの重ねドルチェという商品の「カサネテク」というムービーがとてもバズりました。

(公式ではありませんが、ご参考までに)

モテテクで有名なインプレッショントレーナーの先生に監修をお願いしたり、楽曲デモがすごく良かったので、最終的にこの歌をカラオケで流したいというモチベーションで、レーベルに所属しているアーティストを起用したりなど、様々な提案が見事にハマり、結果としてテレビ番組に取り上げてもらったり、1,000万回を超えるヒット作になり、プロデューサー冥利に尽きる案件となりました。

あ、もちろん打上げでカラオケにいき、みんなで歌いましたよ。(佐藤)

Q. セイタロウデザインにジョインした理由は何ですか?

セイタロウさんの案件はまず面白いものがとても多いのが作ってて楽しいですね。

一筋縄ではいかないというか、見せ方や撮り方に工夫を強いられる(?)ところが難しいですが、面白いです。Picaのラストカットの見せ方はディレクターとずいぶん話し込みました。(Picaのムービーもお気に入りです)

一緒の会社だともっと色々な面白いものが作れると思い、ジョインしました。(佐藤)

Q. これからセイタロウデザインでどんなことをしてみたいですか?

私自身、アートディレクターと一緒に仕事することはあってもデザイナーとコミュニケーションすることはなかったので、デザインに囲まれた会社の雰囲気は新鮮で面白いです。

最近の映像は映像の中に伝えたい情報を詰め込んでいく傾向にありますが、
逆に情報を削ぎ落としていくアートフィルムのような広告を作ってみたいですね。(佐藤)


そんな佐藤との最新プロジェクトは「水防団のおしごと」。こちらも水防団という存在を知ってもらうきっかけを作るために、とてもこだわって制作したムービーです。

セイタロウデザインの強みのひとつは「CI・広告・カタログ・パッケージなどのグラフィックデザイン、WEBデザインの他、映像やプロダクトデザイン、建築設計まで、デザインチャネルにとらわず、目的によって多様なチャネルを横断しながら、“線のデザイン”を提供できること」だと思っています。

今まで、映像は外部パートナーと連携しながら制作してきたのですが、佐藤が入ってくれたことで、他のチャネルと同じように、今まで以上により強いクリエイティブが作れるのではないかなと思っています。ご期待ください。


【TOPIC_2】書籍『あたらしいロゴとツール展開 ブランドの世界観を伝えるデザイン』に弊社の制作実績が掲載されています。

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書籍『あたらしいロゴとツール展開 ブランドの世界観を伝えるデザイン』(BNN発行 / 2020年12月22日発売)で、弊社がロゴデザインからブランディング、トータルアートディレクションを手がけた、「ルミアグラス」「雨庵 金沢」「JMC」「エムステージホールディングス」の事例が紹介されています。ぜひご覧ください。

私たちにとっても、特に思い入れの強い4つのプロジェクトを紹介してもらってうれしいです。書店でこの表紙を目にしたら、ぜひ手にとってご覧ください。


【TOPIC_3】「Artrepreneur」で山崎が出演するスポットライト動画が配信されています。

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アメリカのアーティストのための世界的なオンラインプラットフォーム「Artrepreneur」のスポットライト動画として、山崎が出演するムービーが公開・配信されています。
以前ご紹介した、デザイナーや熟練のアーティストたちがクリエイティブなプロセスの舞台裏を紹介し、開発の様々な段階を案内するYouTubeチャンネル『THE CREATIVE PROCESS』シリーズに続き、アート作品のコンセプトや作品が紹介されています。お時間がある際にぜひご覧ください。


普段はあまり見せたことのない、山崎が水墨画を描いているシーンも入っています。

今年のアート活動もお楽しみに。


【TOPIC_4】コーポレートサイトの英語版を公開しました。

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昨年5月にリニューアルしたコーポレートサイトの英語版を公開しました。
今後は、海外企業・ブランドのローカライズや、サステナブル・ブランディング事業なども強化していく予定です。お時間がある際にぜひご覧ください。
また、以前ご紹介したように、海外進出やテストマーケット、海外での撮影・プロモーション業務もお手伝いできますので、何かお手伝いできることがあればお気軽にご相談ください。

昨年は、セブ・ベルリンに続く、新たな海外拠点を作る計画もあったのですが、コロナ禍の影響もあり、一旦ストップとなってしまいました。

でも、「こんな状況だからこそ、拠点がなくてもできることがあるのではは?」という思いから、海外企業・ブランドのローカライズや、サステナブル・ブランディング事業などをもっと推進すべく、少しずつプロジェクトが動き始めています。こちらも続報がありましたらお知らせしますので、お楽しみに!


【WORKS_1】株式会社PLUGO/コンセプトモデル「PLUGO BLOCK」プロダクトデザイン

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大川精螺工業株式会社とセイタロウデザインが共同で設立し、EVユーザー向けのおもてなしサービスを⾏う株式会社プラゴ。
今回、コンセプトモデルとして、設置環境の視覚ノイズを極限まで減らした車止め型充電スタンド、「PLUGO BLOCK(プラゴブロック)」を発表しました。
「PLUGO BLOCK」は、環境における視覚ノイズをできるだけ排除するため、駐車場におけるスケールも物性も、できるだけ変化させることなく機能を付与したいと考え、車止めの小さな筐体の中に充電スタンドに必要な機能を全て格納した製品です。
今後、EVの普及が世界的に加速していく中で、既存駐⾞場の全⾞室に新たに充電スタンドが付与される可能性があります。PLUGO は、環境に新たな視覚的ノイズを増やすことなくEVの普及を促進できるよう、プロダクトとテクノロジーの双⽅からアプローチし、未来の当たり前となる製品を発表していきます。ご注目ください。

温暖化ガス排出を2050年に実質ゼロにする目標に向けて、今年は、日本国内でもEVの普及がいっきに加速しそうです。そんな中、プラゴ が、EV向けの⾞⽌め型充電スタンドのコンセプトモデルを発表しました。

プロダクトデザインを手がけた山崎にインタビューしてみました。

Q. 「PLUGO BLOCK(プラゴブロック)」は長年温めていたアイデアだと聞きました。いつから構想していて、なぜ今、発表されたのですか?

A. 2017年のPLUGOの立ち上げの際にクリエイティブディレクターとして関わる上で、当初から想定していた形状でした。

当初は、まだEVを取り巻く環境が未整備で社会的にもまだ注目が集まる状況ではありませんでしたので、PLUGOとしてはさまざまな施策の実証実験を進めていました。

2020年中盤から、脱炭素化社会に向けた社会的なマイルストーンや、それに対する自動車メーカー各社の方針など徐々に社会の流れが変わってきたということもあり、ようやくこのタイミングでPLUGOとしてはアクセルを踏んで活動を活性化させていくことになりました。

そのため、PLUGOが目指す思想を一度社会に提示する必要があると思い、このタイミングでの発表になりました。(山崎)

Q. 「PLUGO BLOCK」のデザインで特にこだわっている点はどこですか?

A. 環境ノイズをなくす、と言うコンセプト。そしてそれを体現するために、現時点で駐車場や車室にある物性を何一つ変化させていないと言うことです。(山崎)

Q. 「PLUGO BLOCK」は2022年中の発売開始を目指しているとのことですが、開発にあたって難しいところはどんな点だと考えていますか?

A. 現実的には、充電方法ですね。法規制や漏電対策など、どのような充電方法を選択しそれを実装していくのか、これからの調整事項は山積しています。

たそれを実現するためのアプリケーションの開発も急務で、その両方が形になってようやく社会に実装できることになると考えています。(山崎)

Q. 今後、世界的にEVの普及が加速していくと思いますが、今後の「PLUGO」の展開について教えてください。

A. この数年がまさに勝負所だと思っています。環境負荷の少ないEVの普及のために、環境の視覚ノイズの少ない充電インフラを作ることを目指しています。未来に責任の持つ、誇れる景観を作っていきたいですね。(山崎)

これからプラゴ がどんな景色を見せてくれるか、ますます楽しみです。


【WORKS_2】コーラス株式会社/オフィス壁面グラフィック・サイン制作

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コーラス株式会社は、参加メーカー(プラス株式会社ステーショナリーカンパニー、日本ノート株式会社、セーラー万年筆株式会社及びオキナ株式会社)が有するあらゆる経営資源を有効活用することで、新しい価値を創造し、「社会と共に進歩する」メーカープラットフォームです。
昨年8月の会社設立時には、ロゴ・キービジュアル・コーポレートサイトをお手伝いしましたが、今回、オフィス空間の壁面グラフィックおよびサインの制作を担当しました。
前回設計したブランドイメージを踏襲し、ダイナミックな手描きのデザインを展開することで、文具事業を原点としながらも、変化を恐れず、力強く躍進・成長していく企業姿勢を、空間にも一貫して表現しています。また、オフィス壁面のグラフィックは全てシャーペンによる手描きで直接壁面に定着させており、人の手ならではの温度感を感じられます。

続いては、オフィス空間のお仕事。昨年、会社立ち上げ時に手書きで作成したキービジュアルの温度感を、手書きのままスケールを上げて空間に落とし込みました。

アナログならではの作業で、連日深夜まで準備をし、土日2日間、総勢22名もの学生さんに手伝ってもらってプロジェクトを完成させた、デザイナーの小林誠太にインタビューしました!

Q. コーラス株式会社のオフィス壁面グラフィック・サイン制作がお披露目になりました。総勢22名もの学生さんに参加してもらって2日間で制作したと聞きましたが、具体的にはどのような作業をしたのですか?

A. 具体的な作業内容としては、シャープペンシルを使用しオフィスの壁面に直接グラフィックを描き込みました。全ての壁面サイズを合計すると高さ2m70cm×幅約30m相当になります。

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おまけに作業期間は訳あって2日間のみだったので、みなさんのヘルプなしには到底不可能な作業でした。(小林誠)

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Q. 実際のオフィスでの制作前の準備も大変そうでしたが、どのような作業だったのですか?

A. 直接新しいオフィスの壁面にグラフィックを描く度胸はないので、転写用(レタリング)の下絵を原寸で作る必要がありました。

全壁面分の下絵の準備量は膨大で、工程としては、用紙カット(A3サイズ約700枚)→原寸張り合わせ→転写用の裏面塗り作業があり、常時2~3人のローテーションで作業して丸3日かかりました。

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大判サイズを使用する方法もありますが、それだと紙厚で転写用下絵の裏移りが出ないのと、壁面での廻り込みの融通が効かないため、コスト面も考えてコピー用紙を選択しました。(小林誠)

Q. まずは共用部の壁面グラフィックについてこだわった点を教えてください。

A. 純粋な手描きの熱量とパワーで見た人を圧倒できればと思い、線の密度やタッチのバリエーションに力を入れました。

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画面上では伝わらない空間グラフィックならではの体験を作れたのではないかなと思っています。(小林誠)

Q. 共用部のトイレ・給湯室のサインはどのような意図で設計しましたか?

A. コーラスのVIのイメージをピクトグラムにも踏襲しました。

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ブランドカラーのグリーンとブラックに抑揚のあるラインで構成しており、ブランドイメージをロゴ以外の要素からも相対的に感じ取れるようにしています。(小林誠)

Q. オフィス壁面グラフィックは、どんなコンセプトですか?

A. 共用部からのテンションをつなぐ役割と、CHORUSの文字を絵として分解し再構築することで、景色としてオフィス空間に馴染みながら、企業のフィロソフィーが感じられるよう展開しました。(小林誠)

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Q. コーラス株式会社で働く人にとって、これからどんなオフィスになってほしいと思いますか?

A. グラフィックのように伸び伸びと自由に、日々のコミュニケーションが活発化するオフィスになってほしいです。(小林誠)

想像するだけで壮絶な作業ですが、出来上がった写真を見ると、手書きだからこそ表現できない温度感があり、すごくいいなあと思いました。(頼んだら、セイタロウデザインのオフィスにも書いてくれるだろうか・・)


【RADIO】Fm yokohama 文化百貨店
(毎週日曜24:30-25:00 ON AIR)

山崎がパーソナリティを務めるラジオ番組。FMヨコハマ「文化百貨店」は毎週日曜深夜0:30-1:00放送中。様々な文化人をゲストにお送りをしています。放送後一週間は、いつでもradikoで視聴できます。

山崎のラジオについては、番組公式noteで毎週の放送の様子をダイジェストをまとめているので、日曜深夜の放送を聞き逃した時は、radikoSpotifyで聞いたり、noteの記事を読んでもらえたらうれしいです。

今週日曜日のゲストは、先週に引き続き、現代美術家の宮島 達男さん!

昨年、半年間にわたって森美術館で開催されていたSTARS展、千葉市美術館で開催されていた個展の記憶もあたらしいと思いますが(私も両方行ったのですが、すごくすごくよかったです)、LEDのデジタル・カウンターを使用した作品で知られ、まさに世界で活躍する現代美術作家の宮島さん。

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(写真は私が千葉市美術館で撮影した写真です)

先週のお話も本当に面白かったので、今週の放送もぜひ。

また、番組では、近々、何かがリニューアルされるという噂も。こちらもお楽しみに。


それでは、今回のニュースレターの裏側はここまで!