痛みがなくなること=正解ではない話
「足がつったから、痛みを何とかしてほしい」
「とにかく何でもいいから痛みだけを消して欲しい」
身体が痛くなった時、そんなふうに思う方も多いはず。実際ぼくの整体院にもそういう相談は少なくないです。
「痛み」という感覚に心地よさはないので、そう思う気持ちはわからなくもないですが、身体としては痛みによってバランスを保っている部分も事実です。
この辺りの話は過去記事(収録)「痛みは身体のバランスを保つ大切な感覚」でお話していますので、こちらも参考にどうぞ↓
本記事では、痛みがない状態=いい状態ではない理由と、治療家として痛みをどう捉えてどう治療しているかについてお話したいと思います。
本記事は「整体師のカラダとココロの話」のラジオ収録台本にもなっています。本記事は箇条書きで要点をまとめた記事ですので、本編はラジオ収録で解説しています。内容をしっかりご理解するために下記のラジオ収録もご視聴ください。
「痛みそのもの」に罪はない
・痛み=バランスを取る役割がある(前回のラジオ収録の要点復習)
(例)
右重心の癖→右膝に痛み→左に重心が戻る→バランスが整う
・痛み自体が課題ではなく、痛みを要する状態になっていることに課題がある
・痛みによって癖で使いすぎる部分への負担を減らし、癖で使えなくなっている部分に負担を促すのが、痛みによってバランスを整える仕組み
・痛みがない状態が=いい状態ではない。痛みを感じられない鈍感な身体になっているケースも実は多い。
患者様のニーズ
・患者さんのニーズは、「痛みを軽減し、できなかったことをできるようになること」→治療ビジネスとしてはこれに応えることが大正解で、これはこれでOK
・わざわざ、患者様が無自覚なことまで指摘して、わざわざ不安を煽る必要はない
・でも、それ痛みをとることのみを行うのであれば、ぼくが治療家として活動する意味はない
・ニーズには信念とエゴが混じる
ただ苦痛だから痛みを消したいだけ(エゴ)なのか、目的のために今は痛みを感じていたくないのか?もしくは痛みを作ることで、弱さをアピールして承認欲求したい人も多い。
・この場合は、痛みが重症だと言われるほどに満足する傾向がある
→過去記事(収録)「病気になりたい心理」も参考にどうぞ
痛みを取るべきタイミング
・明日が試合で腕取れてでも試合に出たい、明日乗り切ればそのあと休みが長いから何とかここだけは乗り切りたい、など。
・ただし、それで悪化したとして、それに十分対応できるスキルが治療家側にあることが大前提。
・痛みを取り去る技術はあるのは当然で、その使い所が大切になる。
・治療のための技術=道具であり、そこに本質はない
大切なことは道具そのものではなく、それをどの人にどのタイミングで使うか?
・そして、治療家としてもっとも大切なことは技術(道具)を用いずに課題をクリアすること
痛みを起こせる力=自己治癒力
・基本的にまずこの考えを持っておくことは大切
・これは、こう考えるようにしてくださいという知識やプラス思考論ではなく、身体が持っている原理原則の話
・身体の痛みが「自己治癒力で治る」と言われるが、これはぼくとしては違う解釈で、「痛みそのものも含めて自己治癒力」の方が言葉として正解に近い
・痛みや症状、病気を起こせる力こそが身体のバランスを保つ力であり、これが「自然治癒力」
まとめ
・痛みそのものに罪はなく、痛みが出せること、症状を出せること、病気になれることそのものが自然治癒力。これにより身体のバランスは生きている限り保とうとしてくれる
・この考えは、考え方ではなく、身体の原理原則の話。信じる信じないではなく「そもそも、そう作られている」身体の仕組み
・痛み=悪者である。という常識がむしろ偏った認識
・これら前提を理解した上で、それでも痛みだけを取ることは悪くないこともある
・しかし、「痛み=悪いもの」と捉えて、とりあえず痛みだけが消えればそれで良しとするのは危険を伴う
・医療者側はこれらをよく鑑みて治療を行う必要があると思う。
・痛みがなくなること=正解ではない。
記事執筆者紹介
整体庵大空 下大前陽介(シモオオマエ ヨウスケ)
<プロフィール:整体師歴19年>
スポーツトレーナー、トレーニングコーチ、プロ野球選手のサポート歴
スポーツ整形外科、産婦人科での施術を経て、整骨院開業。
現在は保険診療を廃止し自費診療で整体院を夫婦で営んでいます。
ファスティング歴10年以上、-25kgのダイエット経験者
定期的にファスティング講座をオンラインで開催しています。
妻(美容鍼灸師)、子供2人、猫1匹の5人家族です。
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