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ObsidianのDaily noteでMemento Mori する

Mement Mori —いつか死ぬことを忘れるな
有名なラテン語だ。

忘れるな。と言われれば、
しばらくは気に留めておけるだろう。
しかしそのまま放っておくと、
いずれ忘れてしまうのが人間。愚か也。

いつか死ぬことを忘れないためには
工夫が必要だ。

いつか死ぬことをリマインドする方法

何かを忘れないためには、リマインドが有効だ。
そして欲を言えば、鬱陶しくない、さらりとした、しかし印象に残るリマインドが望ましい。

最悪なのはスマホのプッシュ通知。
「いつか死ぬよ」という通知が毎朝スマホを震わせようものなら、鬱陶しくていずれ通知をOFFにしてしまうだろう。

毎日必ず目を通すメモ帳の隅に
「あなたが死ぬまであと◯日」と書かれていたならばどうだろう。そして、その残りの日数が日々少なくなっていくならば。
このメモ帳の隅の何文字かが、いつか死ぬことを毎日、さらりと、印象的に伝え続けてくれるはずだ。

この「毎日必ず目を通すメモ帳」は、私の場合Obsidianになる。

ObsidianのDaily noteを使う

前提としてObsidianを毎日開く運用ができている必要がある。

これはとても簡単。
Obsidianアプリケーションを立ち上げたときに自動作成される「今日のDaily note」に日記やメモを記録することを習慣化すれば良い。
Daily noteを開かない日はなくなる。

本題へ。
Daily noteを作ったときに
「今日から死ぬまでに何日残っているのか」
が自動的に出力されるようにする。
ついでに
「生まれてから今日まで何日経過したのか」
も出力されるようにする。

勿論、自分が死んでしまう日なんて分からない。
明日かもしれないし、100年後かもしれないが、ひとまず80歳で死んでおこう。
(80歳まで健康に生きられれば十分だ)

日付の計算にJavaScriptのMoment.jsを使いたいので、サードパーティプラグインであるTemplaterを導入する。

Daily noteのタイトルは YYYY-MM-DD の形式にしておく。
Daily noteのテンプレートの好きなところに、以下を追加する。

生まれてから:<% Math.floor(moment.duration(moment(tp.file.title).diff('2000-12-31')).asDays()) %>日
80歳まで残り:<% Math.floor(moment.duration(moment('2080-12-31').diff(tp.file.title)).asDays()) %>日

「生まれてから〜」の行の YYYY-MM-DD 形式で書かれている箇所は、生まれた日に置き換える。
「80歳まで残り〜」の行の YYYY-MM-DD 形式で書かれている箇所は、80歳の誕生日に置き換える。

テンプレートをもとにDaily noteを作成すると、このように表示される。

いつか死ぬことを忘れない

生まれてからどれくらいの時間が経過してしまったのか、どれくらいの時間が残されているのかが具体的な数字となって表れている。

それを目にした瞬間に、永遠に続くのではないかと思われた茫漠たる人生という幻想は崩れ去り、残り少ない限りある生のうちの貴重な1日が今ここにあるという現実が迫ってくる。

Daily noteに表示された人生の残り日数は、根拠なしにぼんやりと予想していた数よりもずっと少なく、ショックだった。

朝がきて夜になり、また朝がくる。
日々Daily noteが追加されていく度に、生まれてから過ぎ去った日数は当然のように増えていくし、死ぬまでの残り日数も恐ろしいことに一定のペースで減ってゆく。

今日は何をしようか。
誰と、どうやって過ごそうか。
限りある時間という資源に自覚的になることで、1日1日が輝いて見えるようになるのは勿論、何をやるのか・何をやらないのかという選択にシビアになったように思う。

Mement Mori
Obsidianを使ったリマインドは成功した。
いつか死ぬことを忘れずに済んでいる。

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