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明治時代の養生書に詠まれるコレラ予防歌 - 續養生やまと歌001

この歌は明治時代の『新撰暑中養生法』という養生書にある、コレラ予防歌を改変したものです。⠀

コレラ予防歌は「いろは」の順で、全47首詠まれていますが、その最後の一首の「虎列剌(コレラ)」の部分を「コロナ」に置き換えました。⠀

疫病ははるか遠い時代から、突発的に発生してきました。過去の歴史をみてもわかるように、疫病はかならず収束します。⠀

新型の疫病に対し有効な治療手段のない現在、私達にできることは、予防と養生を怠らないことです。⠀

疫病は必ず収束するものだという事を心の片隅におき、希望をもって過ごしていきたいですね。

というわけで、本年もよろしくお願いいたします。⠀

なお、『新撰暑中養生法』に収められるコレラ予防歌は国会図書館のウェブサイトで閲覧可能です。作者のはしがきだけ以下に引用しておきます。明治時代の方々も大変苦労されていたようですね。

コレラ予防歌はしがき
嗚呼(ああ)悪むべきは虎列剌(これら)、嗚呼畏(おそ)るべきは虎列剌と、千人が千人、万人が万人、皆之(こ)れを悪み之れを畏るるば、既に遠くは安政戊午の流行、近くは明治巳卯の蔓延の実況を目撃せし人々なることは、言はずして知ることを得れども、中には頑愚固陋(がんこ)の徒(やから)ありて、その身は無論、往々一家の者より近隣の者へまで迷惑をかけるものあるより、畢竟此(かく)の如(ごと)き惨状を現出(あらわ)すに至れるものなり。故に今これらの為(た)めにその性質及び予防養生の要領を、何人にも解し易く覚え易きやうにとて、いろは四十七字を頭に冠(かぶ)らせたる狂歌となしたれば、能(よ)く能く之(こ)れを遵守(まも)りさへすれば、流行病を予防すること毫(すこし)も疑ひなしとその証文を書くの如し。

※読みやすいように、原文にはない句読点を補い、変体仮名を現行の仮名に改めるなどしております。

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『新撰暑中養生法』コレラ予防歌
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/836957/1



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