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養生やまと歌 - 江戸の養生書を読む 03

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和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。
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#セルフケア

胃中ひえ腸なり臓気虚しつかれ食下らぬは足の三里よ  - 養生やまと歌 009

足三里は胃の調子が悪い時に最適なツボです。また東洋医学では、湿気の多い時期は、胃の調子を崩しやすいと考えられています。胃の不調の影響は全身に広がるので、梅雨から夏にかけて体調が悪くなる方もぜひお試しください。 ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/seishind

鯛はただ筋骨強くなしにけり心腎弱き人によきもの - 養生やまと歌 008

鯛も虚弱な方に特におすすめの補益食材になります。五蔵を補い、気血を益す作用があったりと、本草学的には魚類の中でトップクラスの効能です。 江戸時代の本草書『本朝食鑑』には、乳房がしなびて垂れ下がってしまった授乳婦が見事復活した、以下のようなエピソードも記載されていました。 ある授乳婦は、体が虚弱で食が細く、母乳が出ず、乳房がしなびて垂れ下がってしまっている状態だったが、味噌と酒粕で鯛の肉を煮て食べると、3、4日して乳房が張り、湧き出るように乳汁が出るようになった。 (又一

朝早く起きて歩をはこびなば気も晴れやかに病しりぞく- 養生やまと歌 007

早朝散歩は気持ちが良さそうですね。気分の晴れない時に試してみるといいかもしれません。 僕自身は朝目が覚めるのは早いのですが、布団から出るのに時間がかかるタイプで、朝の散歩はなかなか無理そうです。今回はとりあえず養生の基本として、この一首を紹介しました。朝に強くなりたい。 ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新

痩せつかれ手足もだるく積かたく気さかのぼらば気海なりけり- 養生やまと歌 006

‪疲労回復の一番の薬は休むこと。ただ、休んでも疲労感が抜けない時ってありますよね。そんな時にてっとり早く回復したいなら、気海へのセルフ灸がオススメです。歌にあるように、気の逆上を下げるので、頭をクリアにしたい時にもよいでしょう。‬ 気海はお灸に向いたツボなので、せんねん灸などの台座型のお灸で刺激します。‬ ‪お灸は面倒くさそうだし怖い、という方もいらっしゃると思いますが、家庭用に市販されている台座型のお灸は点火して貼るだけで、すごく簡単です。お灸は大きめのドラッグストアで

たけの子は痰を化す也水を利す虚冷の人に用べからず - 養生やまと歌 005

今年の春はタケノコ食べましたか? もう旬も終わりになりますが、タケノコには「利水」という、体の水分バランスを調節する働きがあるとされています。 東洋医学では人の体を流体としてとらえ、気・血・水の3つがめぐっていると考えています。このバランスが乱れると、身体にさまざまな不調が現れます。「水」に関わる身近な症状ですと、「むくみ」がそれにあたります。また、口の強い渇きも、水の不調和によることがあります。 こういった水のトラブル時に、タケノコのような「利水」の食材が役に立つわけで