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養生やまと歌 - 江戸の養生書を読む 03

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和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。
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#メンタル

いづくにも心とまらはすみ替よ 流れなければにごるいけ水 - 養生やまと歌 076

何かひとつの事に執着していないか、時々自分のこころを見つめなおして、こころの気をめぐらせるようにしたいですね。 東洋医学では怒・喜・思・憂・恐といった、感情の過度な高ぶりが、五臓を損傷すると考えられ、『素問』という大昔の医学書には以下のようにまとめられています。  怒は肝を傷(やぶ)る  喜は心を傷る  思は脾を傷る  憂は肺を傷る  恐は腎を傷る 何か不調がある時、身体にばかり目を向けるのではなく、こころを見つめなおすことも大事です。 ******* 養生やまと歌

喜んで悲み泣き亦わらひおそれおどろき大陵の穴 - 養生やまと歌 072

‪歌にあるように、精神的に不安定な時によいツボです。ストレスや不安感の強い時に、呼吸法と合わせたツボ刺激を行って、心を静めましょう。‬ ‪やり方は以下の通りです。 ‪【大陵呼吸法】‬ ‪1.眼をやや開け気味に軽く閉じる。‬ ‪2.まず息を吐き切ることを意識した呼吸を3回。‬ ‪3.左の大陵に指をのせたまま、鼻から息を吸い、口からゆっくり吐く呼吸を10回。続けて右の大陵でも行う。‬ ‪コツ‬ ‪・呼吸中は足の裏に意識を集中する。‬ ‪・大陵は圧迫せず、軽く指をのせるだけで

繰り返すしずの苧環見ても知れめぐる心に結ぼれはなし - 養生やまと歌 022

悩みごとの多くは、運や、過去・未来、他者に左右されるものです。どうにもならないから悩ましい。 でも、いつか必ずどうにかなるものです。 その間、悩みっぱなしは心身に毒。心が結ぼれてしまわないよう、会話したり、体を動かしたり、娯楽にハマったり、何でもいいので心を循環させましょう。 歌の中の「しずの苧環」とは、イラストにあるような糸を巻いたもののことです。心も気血と同じく、流れめぐらせることが大切ということですね。 ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物