精神科の病気との向き合い方

こんばんは。
今日も患者さんと話してて、病気の捉え方を改めて考えることって大切だな、と思ったので記事を書いていきます。

みんなが思っていることは、
「精神科の病気とはこころの病気である」

違います。
脳の病気です。

内科の病気と、精神科の病気と、両方お持ちの患者さんに精神症状を聞くときに、こころの病気の具合はどうですか?なんて聞きますけど、それはわかりやすく聞いてるだけで、そういう捉え方はよくないと思います。

なぜよくないかというと、こころなんて曖昧で、健康なこころと不健康なこころなんて簡単に線引きできないし、できたとして、こころを治すっておかしくないですか?

メンタル疾患の代表例で考えましょう。

Q.なぜうつ病がおきるのか。

A.こころなんて曖昧なものではなく、セロトニンというこころの幸せホルモンが足りないからです。ノルアドレナリンという意欲を出すホルモンも足りなかったりします。

Q.なぜそうした変化が起きるのか。

A.今までの生い立ちが関係してきます。遺伝だったり、育っていく過程が脳の構造に変化をもたらします。

Q.じゃあ精神科の病気になったらどうしたらいいのか。

A.もちろん、いままでの人生は変えられません。育て方が悪かっただなんて責めても仕方ありません。むしろ怒りにしばられると、アドレナリンというホルモンが出て、記憶が増強されていき、ネガティブな感情を忘れられなくなり、余計に脳が疲弊し、悪化を招きます。
そもそも何が悪かったかを考えてよくなりません。そうして反省することも場合によっては必要です。でも、余計悪くなるんじゃないか、どうしようもないんじゃないかと、頭を悩ませるばかりのことが多いです。

Q.それではどうすればいいですか。

A.おそらく、精神科の病気になるまでに、大変なことがたくさんあったんじゃないかと思います。なぜそれを生き延びることができたのか。調子がよかったときはなにがよかったのか。最悪と思われる症状のなかに、ヒントが隠されていることが多いです。なぜなら、症状も、自分自身のなかで良くなりたいという働きのなかで生まれているものだからです。症状のなかにその人の能力も現れます。

例えば、うつ病の人は頑張りやさんが多いです。頑張る能力がすごく高いです。限界を越えてまで頑張れます。頑張る能力がある人がうつ病になります。
その頑張る能力を、自分を酷使する方向ではなくて、自分を大切にすること、療養に向けることが向いていると思いますし、実際そんな気がしませんか?
療養の仕方については、おいおいまとめていこうと思っていますが、私は栄養と運動を推奨しています。


伝えたいことのまとめ

精神科の病気は脳の病気です。
脳の病気だけど、自分を良くしようという作用が働いています。なにが悪かったのか考えるのではなく、その良くしようとして作用とはなんなのかを考えることが大切です。そのなかに回復のヒントがあります。
考え方だけでなく、栄養や運動で脳を変えていくことは可能です。