見出し画像

仕事に就いてはじめてわかる事もある

大人になると生きていくために、何らかの手段でお金を稼いでいかなくてはいけません。世の中にはいろいろな職業職種があり、それぞれに必要なスキルや経験があります。

私は、僅か20歳そこそこの若さで その後数十年続く仕事人生の方向を決断するのは結婚並みのギャンブルだと思っているので、ジョブチェンジに対して極めて好意的です。自分自身もいくつかの専門職を経験しましたので、それぞれの良さ・悪さも含め、そこで知りえた知識や経験が次の仕事現場で役立った事も多くあります。

退職を思い立った時に考えて貰いたいと思うのは、「その職を続けて場だけを変えたい」のか、「職自体を変えたい」のかを頭の中で整理しないとなりません。そしてそれに応じた転職活動を展開していきます。


「場」だけを変えたい場合→

目的:スキルアップ、報酬アップ、今の職場環境(人間関係・社風・上司・勤務形態等)の不満からの解放。

行動:目的を達成できる先から選ぶ。100%満足する場は無いと考えて外せない条件に優先順位をつけて比較し可視化。上位から求職活動へ。現在までの経験が生きるので職務経歴書の作成にウエイトを置く。即戦力としてある程度のキャリアが求められるので力量不足だった場合には入ってからの風当たりが強い。

「職」を変えたい場合→

目的:新たな自分の能力・才能の発見、夢の実現、憧れもしくは諦め。

行動:その職業に関連する情報収集。必要とされるスキルを自分が有していなければ習得(資格所得や通学等)。未経験者可・経験者優遇の求人に限られる為採用後役に立ちそうなスキルはくまなく履歴書に記載。異種業での経験値は自分が思う程効力無し。入ってみないと想像通りの業務が出来るかは分からない。職として未経験でもそれ以外のシーン(コミュ力だったり気配り、みんなが嫌がる作業等)で社会性が発揮出来れば評価上がる。

どちらの場合も、大概の雇用先には試用期間という『双方お試しお見合い期間』というのがあるはずなので、こりゃダメだ、と思えばその期間内に申し出る。これは、自身で求職側も採用担当や新人指導側もしてきて思う事なのですが、採用された人が「無理そう」と感じている時って大体指導している先輩も「なんかこの子無理そう。辞めそう」と同じように感じているものなので、「折角採用してくれて、こんなに教えて貰ったのにすぐに辞めたら申し訳ない」と人情で無理をする必要はないと思うからです。


ただここで、「どんな仕事に就いてもうまく出来ない、覚えられない、言われた事がマスター出来ず、迷惑をかけ続ける事がきっかけで人間関係が悪化」→転職 を繰り返している方の場合、注意が必要です。

こうした方の場合、職業の向き不向きや物覚えの良さ悪さではなく、発達障害による「働きにくさ」が原因となっている場合があるからです。長く続いた学生生活と異なり、社会では『開始時間にイスに座って受動的に講義を受けていればオッケー』では無い為、これまで本人も家族も友人も気づかなかった生まれながらの特性が、就職した事で初めて問題となるケースが非常に多いのです。それまで「少し変わった子」「不思議ちゃん」「空気読めない」「拘りが強い」等周囲から言われていても、学力知能での遅れや大きな人間関係のトラブルが無ければ単に個性です。しかし、社会では、複雑な上下関係や相手を察する言動、言われなくても率先してせざるを得ない仕事等、学校の授業では習わない『常識』という礼儀やマナー、マイナールールがあり、発達障害の特性を持つ方の多くはそこで壁にぶちあたります。

なので、もしあなたが「なぜ自分ばかり叱られてしまうのか分からない」「何度教えて貰っても失敗してしまう」「他人が何を考えてどんな感情を抱いているのか分からない」と悩んでいるようであれば、是非発達障害を診断できる精神科を受診し心理検査を受けてみる事をお勧めします。だって、もし発達障害であるならば、これはあなたの努力不足でも能力不足でもなく、脳神経の特性なのですから。やみくもに転職を繰り返し失敗体験ばかりを増大させたり、人と接するのが怖くなって家にひきこもってしまうのではなく、障害に応じた働き方を選んだり、障害を知って上手な人間関係の結び方を学んだりした方がずっと幸せな人生が送れると思います。

今は全国どこの街にも発達障害支援センターがあります。気になる方は一度勇気をだして電話で相談してみてはいかがでしょうか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?