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油断大敵

12月1日

岡山・児島へ。
爆クラアースダイバー「水島臨海工業地帯の工場夜景と瀬戸内海のサンセットを体感する船の音楽会」へ。湯山玲子さんが主宰する、2011年から主宰するクラブ耳のためのクラシックを聴く会の番外編。
船のエンジン音と揺れとどんどん移り変わる空の色とともに聴く爆音のクラシック(船に超高機能スピーカーを特別搭載)は、めちゃくちゃに感情が揺さぶられる体験だった。
とくに水島工業地帯に近づいたあたりでマーラーの8番を聴きながら感じた物悲しさ。クラシック音楽の時代を超越した普遍性が、工業化社会日本の盛衰を照らしたのかもしれない。
ブルックナー、ラヴェル、バッハ、林光、ヴィヴァルディ…。ひたすら音楽を聴く90分のなかで見た瀬戸内の景色は、特別にドラマチックだったかもしれない。
その後、船の発着のあった下電ホテルにて「昭和歌謡とクラシックに溺れる夜」。地元民謡会の方々が歌った「瀬戸大橋音頭」がめでたかった。
「見れば千両 渡れば万両」
いろいろ仕事の進行のことが心配だったけれど、行ってよかった。
下電ホテルが時間を忘れさせてくれるトリップ感ある佇まいだった。

12月3日
午後、新書の会議。私はひとつ企画を提案。

12月4日
朝からずっと3月に出したい新書の原稿読み。すごい。まだ全部そろっていないけれど、なんとか3月に出したい。。

12月5日
2月発売の文庫のネームを提出。
明日発売の村上隆さんの文庫『芸術起業論』の試し読み記事と、先日スナップマートさん主宰で行った『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』撮影会の受賞作記事を作る。
そして、今日から、「改憲ってほんとにするの?」特集が始まった。副編集長の相馬が全部進めてくれ、私は何も貢献できていないのだけど、これは多くの人に読んでもらいたい企画。まずこの2本から。
◯ドイツから見た日本の憲法論議の不思議 (フランク・レーヴェカンプ氏)
◯イヤガラセの道具と化した「憲法改正」 (菅野完氏)

12月6日

朝、plus会議。年末企画をどうするか相談する。
午後、赤坂のTBSで打ち合わせ。
夜、ピースオブケイクさんの新オフィスお披露目会へ相馬とともに伺う。広くて素敵。そしていらしてる方たちが、出版社のパーティともまた違う雰囲気。
CEO加藤貞顕さんがnoteのミッションを「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」とお話されており、その明快さに刺激を受ける。plusももっとちゃんとがんばりたい。

12月7日
午後、1月10日発売の『仮想人生』つきもの類色校が出てきたので、神保町のデザイン事務所にお届け。そして、ゲラも最終チェック。発売は年明けだけれども、見本は25日。時間はあまりない。でも、どんなに余裕をもって始めても、最後はいつも時間が足りないと思ってしまう。
帰り道、リキッドルーム2階のKATA「BLACK SMOKER」展へ。マヒトゥ・ザ・ピーポーさんの陶芸作品を見る。去年も思ったけれど、強烈に感じるアウェイ感。着ている服のせいだろうか。

12月8日

未明に改正入管法が成立。
ゲラの続き。
夕方、ニコンサロン新宿へ。インベカヲリさんの「理想の猫じゃない」と田川基成さんの「ジャシム一家」を見て、田川さんと望月優大さんのトークを聞く。千葉に住む、バングラデシュの家族を5年間撮り続けた話。聞かないと知らないことばかり。自分のルーツを離れて人が移動し、暮らすとは、どういうことか。
インベさんの作品も、田川さんの作品も、今の日本社会にあるのに見過ごしてしまうことを、大げさでなく差し出してくる。だから、それは当たり前にあることなのだと強く印象に残る。


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