見出し画像

息子の成長と、学校と。

正直なところ、高校に入学しても学校に期待はしていませんでした。

中学校2年生の頃から不登校になり、3年生ではまったく学校に行けない日々。
担任の先生から連絡がたまに来ていましたが、状況の確認程度で何も進まず。
連絡をもらえたときは「まだ息子は学校に忘れられていない」と思えましたが、やはり部屋に引きこもり、オンラインゲームを一日中している息子と一緒に過ごす日中の時間は、私にとっては苦痛でした。

誰にも助けてもらえないから、自分で何とかするしかない。
でも、息子がこのまま部屋から出て来なかったらどうしよう…。
そう思いながら、何とか入学した星槎でした。

入学式でセンター長に「オンラインゲームが好きなら、そんな中途半端にやってないで極めればいいじゃん」と言われ、家に帰ってきた息子は、「そんな簡単に言われても…ぶつぶつ…」と言いながらも、オンラインゲーム部の立ち上げに誘われたことがうれしかったようでした。

新しい学校生活は最初から順調には進むはずはなく、やはりお休みを繰り返しながらもやっと通えているという状態でした。
しかし、ある日センター長から「オンラインゲーム用のゲーミングパソコン、どれを買ったらいいのかわからないから教えてほしい」と頼まれ、次の日から授業が無いのに職員室に登校するようになりました。
2日連続で学校行ったことなんて無かった息子が、3日連続で登校したのです。

家に帰ってきてからも、「先生こんなことも知らないんだよ」「俺はこっちの方が良いと思うんだけど、予算と合わないんだよね」「中古で部品探ししなきゃな」…
うちの息子って、こんなに喋るんだな…と母親の私がびっくりでした。

そんな先生とのパソコン探しも順調に進んだようで、息子が先生に勧めたパソコンが学校に届いた日には、一番早いスクールバスに乗って登校し、一番遅いスクールバスで帰ってきました。

パソコンが学校に届いてからは、オンラインゲームを同好会としてスタートしてくださり、なんとうちの息子が部長に任命されました!
同好会の曜日と登校日がちょうど同じになるように配慮してくださったので、その日から体調不良の日以外は、ほとんど欠席がなくなりました。

そして、「高校に入学しても学校には期待しない…」と思っていた私の考えは、
あっという間に息子を受け入れくれたお友達、学校の先生方への感謝に変わったのです。

オンラインゲームなんて害でしかない、どうやってゲームをやめさせようか、ゲームをやめられたら学校に通えるようになる、と思って必死にゲームを隠したこともありました。その度に息子と取っ組み合いの喧嘩。
でも、先生方はそんなゲームやパソコンをきっかけに息子を学校に通えるようにしてくれました。

入学式の日にセンター長が、「とにかくその子の”おもしろい”を見つけてあげたいんです」「学校に通う理由が”おもしろいから”って何か良いじゃないですか」っとおっしゃっていたのを思い出しました。
そのときは不安しかなく何となく聞き流していたんですが、息子が学校に通えるようになってようやくその意味がわかった気がしました。

やっと通えるようになってくれたとはいえ、2年生の息子には、まだまだこの先何があるかわかりません。
これから先ももしかしたらつまづくこともあるかもしれません。
でも、もう「誰も助けてくれない」「私が何とかしなきゃダメだ」とは思いません。力を貸してくれる先生方や、星槎があります。
1人で悩んでいた私に学校が色々なことを教えてくれました。
私も勉強させてもらいました。

「学校に通えるようになったのは嬉しいんですが、欲を言えばオンラインゲーム以外の趣味も見つけて欲しいと思っているので…何とかなりませんか?」
と厚かましいお願いをするこんな私に、
「じゃあ、次は彼女作るように言いますね。覚悟しておいてくださいお母さん」
と返してくれた先生。

私も早く子離れしなくちゃと思いながらも、本当に彼女ができちゃったらどうしよう、星槎の先生たちならやりかねない…!
と複雑な気持ちになっています笑

卒業まであと1年、これからも親子ともどもよろしくお願いします!


星槎国際八王子
2年 R.T 

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?