シェア
紫雨蓮(清流紫暁)
2022年2月6日 18:31
狐色から紺色へこんがり染まっていく空をなぞっていくと家の間、消えようとする赤にはっきりとした黒を見た空自体はぼんやりとしているのにその黒は凛としていて闇の中に光が浮かんだ様だった暫くして其処へ行くと反対側鉛色から白群へしっとり染まっていく空にある真っ赤な橙が此方へゆっくり手をのばしていた橙をぼんやり眺めていれば、またも黒が浮かんでいるしかし、闇の中の光ではなかった其れは深
2022年2月5日 18:06
茶色の泥の水たまりそこだけ色も濃くなって月が沈んで光ってる
2022年1月29日 20:05
思いがけずにひとりごと言って空しくなる自分あなたは隣にいないのに癖が抜けずにまた虚しいある日は菓子で「美味しいね」あなたが隣にいないのに皿もそれぞれ二つずつあなたと食べたマカロンは今はしとしと湿気てるある日は外で「涼しいね」あなたが隣にいないのに風は変わらず吹いてくるあなたと浴びたこの風は今はじめじめ生温いある日は木陰で「綺麗だね」あなたが隣にいないのに花は香
2022年1月28日 20:18
上へ上へ参りましょう音も聞こえぬところまで私を癒し傷付けるあの旋律が聞こえぬように私と上へ参りましょう上へ上へ参りましょう雷雨も吹かぬところまで私を清め流していくあの蛇に触れないように私と上へ参りましょう上へ上へ参りましょう下も見えぬところまで私を引き留め縫い付けるあの景色が見えぬように私と上へ参りましょう上へ上へ参りましょう私と共にいきましょう
2022年1月27日 18:48
花弁流れる夜の川真夏の陽(よう)が咲き乱れ私は写真にしたためる光がなくともその花はひとりで静かに輝いた夜景流れる夜の川せんの星々撮ろうにもフィルムが切れて取れないやせめて景色をのこそうと私は文(ふみ)にしたためる香り流れる夜の川ふわりと香る貴女のみ形にのこせぬものなので私は心にしたためる嗚呼!ゆずの香りがする今夜うめの様に強かに貴女はうまれるのだ!