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『赤城山』

不遜な私は
そのぬったりすわる山すがたを
すがるように
歯向かうように
そっぽむくように
すかすかした町から見てしまいます
「ああ、きょうも山がある」
ぬったりすわるだけの暇で忙しい秋の暮れにも
その、山すがたはあった

なんだかんだ
すかした私を見すかされてもいるようで
恥ずかしくもある
そのぬったりすわる山すがたからは
雪国から一山一本ひとやまいっぽん背負うような
かぜに、きょうもふかれています

ぬったりすわるだけの山すがた
それだけで私はうれしい
明日も、雪国に小突かれて
一山一本背負はなくてもいいではないか
ぬったりすわるだけの山すがたの
暇で忙しい山だ

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