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『ブームノリハメ加減調整のツマミ』

『ブームノリハメ加減調整のツマミ』の話をしよう。
キャンプツーリングをする私にとって、キャンプブームはありがたい。そのブームの恩恵に預り、利用し、どこへ行ってもキャンプ場がある。そういう環境を念頭においたキャンプツーリングの計画がたてられるのだ。ほんとうに助かる。

私はソロキャンプツーリングを好むので、自由にどこへでもテキトーに走りたい。例えば、前の車のウインカーが右なら私は左へウインカーを出して、知らない町の知らない道を気ままに走ったりもしたい。そんな具合に走れる環境をキャンプブームが作ってくれたのだ。キャンプ場の隣に温泉がある。トイレも綺麗でウォシュレットまである。そんなキャンプ場も増えた。私のスタイルにとって最高のブームがいまの日本に生まれている。

いま、キャンプブームにノッている世代を『第一次世代』としよう。だから、しかたないではないか。と私は思う。『第一次世代』というのは、手探りでハメを外す種族なのだから。
どの、なにの、どんな、『第一次世代』でも、『第一次世代』は『第一次世代』なりの、有り様を見せる。ブームにノッてノッてノり過ぎてハメを外してしまう。『キャンプブームノリハメ加減調整のツマミ』のバランスがわからないのだ。キャンプにかぎった話ではない。フェスだって、コミケだって、そうだろうと思う。

思い返してほしい。『キャンプ第一次世代』の親を。『キャンプ第一次世代』の親は、家族総出で、パチンコ屋にくり出していた世代だぞ。休日には、煙草の煙りでいっぱいのパチンコ屋の店内が、親子のふれあいの里だったのだ。その子どもらは、本来は『パチンコ第二次世代』を担うはずだった。その子どもらが家族をつくり自然に帰ろうしているのだ。『パチンコブームノリハメ調整のツマミ』は、有難いことに壊れたのだ。そういうわけで、家族総出でパチンコをする日常から逃げ出した『キャンプ第一次世代』に、私はあたたかい眼差しを向けている。

『キャンプ第一次世代』の子どもらが、間違っても『パチンコ第三次世代』を作らないように、そうならないように願っている。
私は意外と心配はしていない。『キャンプ第一次世代』はしっかり『キャンプ第二次世代』になってくれると思う。子どもの頃に自然のなかで空気をいっばい吸って育った子らの力を信じよう。子どもの頃にパチンコ玉拾いに夢中になって、煙草の煙をいっぱい吸って育った私のような惨めな休日が、二度と来ないように願う。

私がいなくなる頃には、『キャンプブームノリハメ加減調整のツマミ』のバランスも取れるようになっているだろう。


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