見出し画像

『もしぐん』

『もしぐん』、聞き慣れない言葉だ。
もしぐんとは、『もし、大阪万博が群馬万博だったら』の略だ。
そうであったなら、週間文春は吉本興業と松本人志氏に、このタイミングで手を出していたのだろうか。
タイミングはいくらでもあった。吉本芸人の醜聞の鉱脈はいくらでもあるのだ。それほど恣意的に文春は動けるというわけだ。

『もし、大阪万博が群馬万博だったら』、松本人志氏と吉本興業は無傷だったかも知れない。逃げ切れたかもしれない。逃げ得はあってはならない(写真家の篠山紀信氏のようにという意味で)。被害者にとってはどちらでも、有傷である事にかわりないのだ。

幸か不幸か、吉本興業は『公』に接近し過ぎている。国家や、地方自治体に接近すれば、身体検査を国民からマスコミから視聴者から受けるのは当然だ。東京オリンピックを思い出してほしい。
身体検査の結果。小山田圭吾氏と小林賢太郎氏と竹中直人氏が一時的に葬られた。東京オリンピック前の喧騒のなか、言い訳も許されずに退場した。

三者三様に危ういネタと言動をしていたのは、サブカル界隈では知られていた。こうなる事は解っていた。国と組織委員会の身体検査はそれほど甘かった。スマホで検索すれば、10分でアウトだとわかる事象だった。(私は三人共すきだった。その言動とネタも知っていた)
日本が東京オリンピックを契機に能動的に変わったわけではない。我々日本人は相変わらず鈍感だった。
たまたま『海外の目』が日本に向いたからだ。東京オリンピック反対派が海外に日本の現状を教授したのだ。「身体検査をしてください」と頼んだのだ。それで、やっと、気づいたのだ。日本社会の自浄作用ではない。今般のジャニー喜多川氏の性加害問題も同様だった。

2025年の春から秋にかけて大阪万博が開催される予定だ。
当然、松本人志氏だけで終わる話ではない。その相方にも矛先は向くだろう。私は相方の方の、女性タレントやスタッフに対するハラスメントの問題の方が先にクローズアップされると思っていたくらいだ。
吉本興業はこれから真綿で首を絞められるように、大阪万博までの一年余りを醜聞にまみれて過ごす事になる。各タレントに身体検査が入る。『維新の会』にも入るだろう。

週刊文春にとって、後はタイミングだけだったのだ。みんな知っていたじゃないか。テレビの中で、書籍の中で、自分語りが好きな芸人が自らを語るのを見ていたじゃないか。これは日本社会の自浄作用の現れのはじまり。そうしてほしいのだ。見て見ないふりをしてきた我々日本社会の恥の膿の業だ。

さて、『もしぐん』にもどろう。
『もし、大阪万博が群馬万博だったら』、アンバサダーは、中山秀征氏と井森美幸氏だったはずだ(ナベプロ、ホリプロ)。公式キャラクターの『ミャクミャク』は『ぐんまちゃん』だった。知事は山本一太(清和会)だった。結局、やばいかも知れませんが、大阪万博とダウンタウンと吉本興業と維新の会よりはマシではないでしょうか。

アンバサダーはかなり清潔になるかわりに話題性はなくなり、どちらにしても知事はでしゃばる。維新の会が自民党に変わり、笹川財団はしぶとく関わりそうだ。海はないので埋め立てる場所はない。規模は縮小して、真夏には熱中症患者であふれかえる。
みなさんも、それぞれの地元にあてはめて考えてほしい。『もしも、大阪万博が長崎万博だったら』とか。

こんなことを書きながら、私は『水曜日のダウンタウン』を毎週見てしまいます。私の弱さと矛盾です。被害者の立場に寄り添いながら、ダウンタウンの面白さを否定できない。
だからこそ、潔く謝罪をして、ダウンタウンはテレビからは退場してほしい。
小泉今日子氏が「バラエティ番組はくだらないから見ない」といったらしい。せめて、「くだらない」が褒め言葉になるようなテレビ界であってほしい。
私の言語感覚では「くだらない」は、最上級の褒め言葉なので。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?