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エッセイのほう

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野蛮で図々しくてくだらないことを書いています。400字~2000字くらいでしょうか。
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#ステージ4

『ほう』

「ほう」と感心してみましょう。 何ごとも「ほう」から始めてみましょう。「ほう」には含みが持たせてあります。一例をあげましょう。「ほう」と言いながら、その間に脳をフル回転させて見ましょう。二の句が出てこない時の時間稼ぎの「ほう」です。そのわずかな時間で失言も防げるでしょう。 また、よりよい対人関係づくりの為の一歩だと思って、毎日トーンを変えて「ほう」の練習を心掛けてみましょう。リラックスして反響する風呂場がいいのではないでしょうか。そこから、メロディーが出てきたら儲けものです。

『さようなら、こんにちは』

もはや、諦めの境地。 『ゲリラー』の事だ。今日と明日を乗り越える事ができれば、『ゲリラー』の副作用は止まるはずだ、が。 私の過敏性腸症候群の方と『ガンかわいがり』の副作用がダブルで襲いかかってくる。どちらを標的にして対処して良いのか解りかねる。本命はどちらなのだ。調べれば調べるほどに、わからなくなる。 老齢の癌患者が、副作用のツラさから投薬を止めてしまう理由もわかるような気がする。私の場合の副作用は『ベンピーラ(便秘の事)』にはじまり、やがて『ゲリラー』に変じていった。 吐

『2024年の春の陣』

2時間早く起きる事にした。 睡眠時間を暇な『ガンかわいがり点滴中』の昼寝にあてる為だ。 思えば『2023年の夏の陣』のときの私は徳川方であった。 いまの私は『2024年の春の陣』の大阪方。極めて形勢は不利だ。 「いったいコイツは、なんの話をしているのだ」、私の頭はいつもどおりなので安心をば。 『2023年の夏の陣』など、所詮は盲腸癌のステージ2。敵は大阪城から飛び出た出城『真田がん』のみ。多少手こずったものの、徳川方(私)の圧勝に終わった。 此処である事件が起こった。『真

『スウィート•タン』

順調にゆけば、明日から2クール目の『ガンかわいがり』がはじまる。 血液検査の結果次第。もしくは、MSI検査(DNA)の結果次第となる。 MSI検査で解ることは、遺伝性のがんであるかどうか。遺伝性のがんであった場合に効果的な薬の適応があるかどうか。簡単にいうとこんな説明でいいと思う。 この3週間で私の食生活は激変した。 ほぼ、和食になった。ほぼ、野菜になった。ほぼ、味覚異常の副作用で料理の甘みが3割増しになった。甘加減のバグり。『甘の舌』、『スウィート•タン』だ。 私がいま関

『春のがん走り』

本日の文章は大変悪趣味なものであり、がん罹患者。その家族におかれましては、あらぬ誤解をうむ可能性があります。当然、愚弄するものではありません。私とがんの付き合い方のひとつのあらわれではありますが、人によっては読むに値しません。ですから、他者様のマガジンには載せません。 二十年程前に『さわやかにかけぬけるようにあきらめる』という言葉が、ぱっと私の頭のなかで花開いたことがありました。その、『さわやかにかけぬけるようにあきらめる』の灰汁(悪汁)だけををすくいとったような文章になって

『魔改造の3時』

二日連続で夜中とも朝ともつかない3時に起きてしまった。 で、トイレ掃除をしてしまった。これは、私の癖で、時々あることなのだ。 それに飽き足らずに、トイレブラシセットを魔改造してしまった。 それなりにデザインのいい、ウェットティッシュケースがあった。お気に入りであったのだけれど、中心のウェットティッシュ取り出し口のシリコンの劣化で、一枚二枚とバトンタッチするはずのウェットティッシのリレーが途切れがちで使用していなかったものだ。 半田コテで中央部のプラスティックを溶かし穴を広げ

『ブロッコリースプラウト』

健康食の乱れ食いは続行中だ。 ブロッコリースプラウトの水耕栽培を家の中ではじめてしまった。 Amazonでスプラウト用の種を買い。朝晩水やりをしている。 そのほうがお得なのでは?という理由から栽培しているのだが、近くのスーパーで1パック百円程度で売っているようだ。 東京あたりではもっと値段が高いのだろうか。正確な費用対効果は計算していないけれど。ここ、群馬ではスーパーで買い求めたほうがいいのかもしれない。 ただ、家の中での水耕栽培は新鮮だ。この、新鮮さの一点だけは負けていな

『アーガ秘水』

1クール目の抗がん剤服用期間が終わった。 初日に抗がん剤の点滴。14日間の抗がん剤服用期間で、計15日だ。 これから、6日間の休薬期間に入る。次の血液検査で問題がなければ、しばらくはそれの繰り返しになる。何クール続けるのかは決まっていない。 1クール目の抗がん剤治療の副作用は大した問題にはならなかった。すこしの便秘とダルさ。血混じりの鼻糞。胸やけ。手足のしびれ。こんなところか。前回、5日目でリタイヤしたのが嘘のような副作用の軽さだった。 心療内科で処方された薬の服用も、副作

『スロウ』

『スクワット300』は、ぬるっとできた。 なんなら、50回を10セットくらいした。むかしもこんな事があったのを、いま、思い出した。スクワットを調子にのってやり過ぎて、膝を痛めたのだ。翌朝の私の膝は無事なのだろうか。つま先より膝が前に出ないような正しい姿勢で行ったつもりなのだが。 私にふさわしい、がんと共に過ごす言葉は見つかっていない。 ダサくないのがいいのだ。いっそ、『がんばるまん』でいいか。頑張るつもりがないので却下だ。私が愛して止まない、サニーデイサービスの『スロウライ

『せいのほう式』

抗がん剤治療13日目から14日目に入ろうとしている。 いまは、身体の中でなにが起こっているのか、誰もわからない。 私の身体の外側は元気だ。2日間のファスティングも何ごともなく終了した。これから毎週、土曜日と日曜日はファスティングの2デイズで行こうと思う。『ファスティングフェス2024』の開催を宣言したい。 これは、医師から薦められたエビデンスに基づいたものではない。標準治療を順守しながら私なりの一手間を加えてみたくなった、遊び心でもある。『バカボンのパパ症候群』の一種だ。健

『早起きができた』

早起きができた。 というより、腹が減って朝4時に目が覚めた。いいファスティング効果だ。 ファスティング二日目が予定より早くはじまった。ぐうっと腹が鳴り、腹がくのじに凹んでくれたらいいな。 『手足がかさかさになる』、これは、もっとも一般的な抗がん剤治療の副作用のひとつです。手のケアは万全で『すべすべつるつる』で、抗がん剤治療前よりいいくらいになった。踵はケア不足のようで『からからがさがさ』だ。ヒビ割れたらつらいので早急に水分とクリームを踵に入れよう。 最近は、日記のようにほ

『ファスティング』

健康食の暴飲暴食に飽いた。 今日と明日は軽めのファスティングを入れることにした。 体調もいいので、週二でファスティングを入れる実験をしたいと思う。 バナナ。デコポン。ヨーグルト。ブルーベリー。野菜ジュース。野菜スープ。珈琲。こんなかんじでいこうと思う。腹が空いたら、黒糖を囓る。あとは、サプリだ。 そう、抗がん剤治療の副作用をもうひとつ。 味覚異常がでてきた。なにを食しても、すこし甘い。私の大好きなキリマンジャロもいつもより甘い。不思議な感覚だ。甘いデコポンは更に甘い。 こ

『嘘』

朝から頭痛だ。 これは、抗がん剤治療の副作用ではない。どちらかというと抗がん剤治療の副産物のせいになる。『マルガリッタ』のせいだ。 近頃のイタリアでは日本のアニメ文化の影響で、丸刈り頭の事を『マルガリッタ』と呼ぶそうだ。 私の頭痛は、寝ている間に『マルガリッタ』が冷えたのだろう。 今夜からしばらくニット帽を被って睡眠したいと思う。 抗がん剤治療の副作用は今日もほぼ、ない。「ない」と、すこし物足りなく思うのはなぜだ。副作用があるから、抗がん剤が効いているわけでもないのに。走れ

『アイウエオ』

私はデジタル庁の回し者ではない。 けれど、マイナンバーカードを保険証として使用している。その患者側の利点について書こうと思う。 『高額療養費制度』と『限度額適用認定証』の手続きが楽。 今のところ、患者側の利点はそれだけだ。けれど、『高額療養費制度』を申請して、『限度額適用認定証』を貰う手続きが、病んだ状態の者にとってどれだけ煩わしくて精神的な負担となるのか、私はそれを昨夏に経験している。私は無知な事に、癌になってはじめてその制度を知った。そして、かなり慌てた。やがてそれがマ