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チームラボ、クアラルンプールの「ららぽーとBBCC」屋上庭園を、アート空間に。「チームラボ 呼応する小宇宙」を一足お先に体験してきました。


お久しぶりね。 やっと、また会えたね。


やっとやっと旅が終わる!そうです。私、日本に「本帰国」致します。息子さんがセカンダリーを優秀な成績で卒業してくださり卒業後の進路も決定。やっと帰れる!と思ったら


チームラボさんが「クアラルンプールで屋上庭園をアート空間にするで!」とのお知らせ。


展示開始は私が本帰国した後。そしてお知らせはメディア登録してるはずなのに来ない。深圳や北京やシンガポールの展示のメディア取材のお誘いは来るのに、住んでたクアラルンプールは来ない。


引越の片付けをしながら連絡こない。。と落ち込んでいたら設営をしている中の人から「内覧会にお呼びします」とお声掛けを頂きました。ありがとうございます。


チームラボと私たちのお付き合いは実は相当昔から。記録は2013年まで遡ることができます。


最初の印象は「ああ綺麗だなあ」というものでしたが、彼らの表現とアートとテクノロジーは常に進化し、表現に都市論が加わります。それは一文でまとめるとこんな感じでは?と私は解釈しています。それは


「チームラボ作品はあなただけで見た時とあなた以外の人がその場に存在して見た時では「違う」作品である」


本来、美術の展示というのは人が多い中での鑑賞には苦痛が伴います。人が多い、邪魔!という感情はなかなか避けられません。もっと踏み込めば「人がいない方がもっと気軽に見れるのに」です。しかし、チームラボの作品は違います。自分以外の「人」が存在する場合としない場合の作品が全く違うのです。


私たちはチームラボさんの数々の作品を拝見させて頂いていますが、チームラボの作品を本格的に取材させて頂いたのはシンガポール国立博物館の「Story of the forest」。こちらの作品は螺旋状のスロープを降りながら作品の変化を楽しむのですが、そこに人がどのくらい存在しているかで作品の表情が全く変わっていきます。


ミッションコンプリートもしました。


そうは言っても、やっぱり人が少ない方がいいんじゃない?と思ったあなた。全然違うんですよ。なぜなら私は「人がいないチームラボ作品」をコロナで体験しているからです。


それは2020年2月のシンガポール。まだコロナがここまで長く続くなんて誰も想像していなかった頃。シンガポールの、マリーナベイサンズ横の植物園でチームラボの展示「#futuretogether」が展開されていました。


当時既にマレーシアに住んでいた私たち。息子のトライアスロンの試合でシンガポールによく出向いていました。今回も試合の合間にチームラボの新作を見に行きました。屋外展示は賑わっていましたが、隣接した建物での展示は追加料金が必要であったことともあり、人の出入りは少なそう。でも誰もいないってことはなかろうと思い、チケットを買って入ってみましたら。。


ほんまに誰もいない。


花と共に生きる動物たち II / Animals of Flowers, Symbiotic Lives IIでは特別な体験もしました。

こちらの展示、壁を触る、または壁の前に立つことで人を認識し、そこで映像が変化していきます。つまりそこに人がいないと「変化がない」のです。


アクションがないと動かない作品は、鑑賞している側も存在感が消えるような感覚に陥ります。それはまるで宇宙に放り投げられたような感覚です。誰もいない、誰にも触れないという感覚は「自分の存在も薄くする」。自分が存在しなくなる?そんな感覚に陥ります。
この感覚をダイレクトに体験したことにより、「人の存在が自分の生きてる世界にいかに影響があるか」を思い知らされました。


そして「他人の存在が自分の生きてる世界にいかに影響があるか」を更に私は「COVID-19」に思い知らされます。「COVOD-19」は人との接触の制限により感染拡大を防ぐ「隔離」という手段が主対策の1つとして設けられました。この「人との接触を防ぐ」と言うのは本当に不思議なことで「人との接触をしなくてはいけないけどしたくない」時には負担以外の何者でもなかった人との接触が、いざ「接触禁止、つまり隔離」になると人の心理の根本を攻撃してくるんですよね。


この時の体験から私は「人が生きるとき、他人が存在する意義」について考えることが増えました。私が生きているとき、家族や友人や知り合いではない「赤の他人」との関係性。この「自分が生きている中に他人の存在がある」ことにより比として生きてる感を感じる。この感覚は「人の存在を隔離される」ことで初めてわかる感覚なのかもしれません。


家族でもなく、知人でもなく、他人の存在を意識する。そして他人の存在に感謝する。双方が他人に感謝する気持ちを持てば、都市はもっと幸せになれる。

チームラボの作品は「その場に人がどのくらいの人数で、どのくらいの期間存在するか」で表現がどんどん変わっていく作品です。


前置きが長いですね。このまま終わりそうですね。それでは困りますね。今回の 「呼応する小宇宙」内覧会の話題をそろそろ始めましょう。


作品そのものの内覧会は午後8時ほどにスタート。その前に食事が配られたので皆食べるのに夢中でした。私たちは食事を終わらせて速攻で並びベスポジを確保。そして陽が落ちたころ(クアラルンプールは午後8時くらいにならないと暗くならないんです)にスタートしました。


ロックダウンの間は全くリアルで観ることができなかったので、本当に本当に久しぶり(約2年半ぶり)の作品体験。ちょっと目から汗が出ました。なのでちょっと反応が遅い?というのも私が気にならなかったです。

チームラボさんの作品は基本的にリモートでメンテナンス可能なので(シンガポールのアートサイエンスミュージアムもそうでした)遠隔管理が続くことになると思うのですが、皆さんマジで頑張ってください。。


今回のプレビューはほぼ100人前後の参加だったのだけど、それでも結構な「混雑感」は感じました。作品のリアルな耐久性はアップしているそう」ですが、でも優しく触りましょう。ちなみに作品のアクションは体験者の数も影響が出そうです。実際の公開になると人数制限は必須ではないかと私は予想します。なのでどうしても写真を撮りたい!という人は並ぶの覚悟してね。


今回の内覧会を手配してくれたチームラボのガーニーさんにもお話を伺うことができました。「大阪等との違いは何ですか?」と伺ったとこと。「スコール対策を万全にしました」とのこと。確かに今回の展示場所ららぽーとの屋上庭園は完全屋外。最近のクアラルンプールの雨は豪雨がデフォなので(ほんまに多いですよね。雨。泣いちゃう)確かに雨対策は大変そうです。


つまり、


「豪雨終了直後」が一番落ち着いて楽しめるってことではないでしょうか。作品を楽しみたかったら雨のうちに移動して雨上がりを狙いましょう。



本当に久しぶりのチームラボさん。ぜひ実際に見て、触って、そして他人の存在を意識して「人は近い人とそうでない人、様々なレイヤーで生きている」ことを感じてほしいと思います。「COVID -19とどう生きていくか」が大きなテーマになる022年以降、この体験は重要なヒントをくれるはずです。

展示は8月4日から11月30日まで。クアラルンプールにお越しの際はぜひ足をお運びください。