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都羅の小径(つらのこみち)
箆取神社(へらとりじんじゃ)
岡山県 倉敷市
かつて倉敷市のほとんどは海だった!
倉敷には「島」のつく地名が多い理由をご存じだろうか?
児島、早島、松島、水島、玉島、連島などの地名が、その名残を物語っている。以前から妻の実家を訪れるたびに疑問に思い、博物館や歴史資料を調べるうち、倉敷一帯が「吉備の穴海」と呼ばれる大きな内海だったことを知った。古代から中世にかけて、この地域の海岸線は大きく変容してきた。
詳細は「倉敷考古館」のホームページに掲載されているので参照されたい。
倉敷考古館
http://www.kurashikikoukokan.com/
そのため倉敷には古道がほとんどないと思い込んでいた。旧山陽道(西国街道)も岡山市から吉備津の板倉宿を経て、総社市の方向に遠回りをするように抜けている。
やはり江戸時代以降の大規模な干拓による土地造成後の発展が歴史の起点となるのだろうか?
だがそれは私の勉強不足であった。「吉備の穴海」は海だが多くの島が歴史的に重要な役割を果たしていたのだ。
箆取神社都羅の小径(つらのこみち)
今回は、その中で「都羅の小径」を紹介したい。
JR倉敷駅を出て右に進むと水島臨海鉄道倉敷市駅がある。水島臨海鉄道はJR倉敷駅前から三菱自工駅までの約11.2kmを約20分間で結ぶ路線で「ピーポー列車」の愛称で呼ばれており、約1時間に1~2本の間隔で運行されている。
乗車券を購入しホームに立っていると1両編成のワンマン列車が懐かしいディーゼルの音を響かせてホームに滑り込んできた。通勤通学の時間帯は過ぎているが乗降客は多い。
列車に揺られながら車窓を眺めると両側に丘陵が迫ってきた。3駅目の浦田駅で下車。
ここからはiPadにダウンロードしている「都羅の小径マップ」を見ながら歩く。念のためGeographicaも起動させる。
周囲を見渡すと目の前には大平山が見えた。水島臨海鉄道の線路を渡り、水島港線の道路を横断、藤戸連島線の高架の横を通り、五軒屋線の歩道を南に歩く、交通量は多く、ひっきりなしに大型車両が通過していく。
マップにあるバス停が道標の代わりとなっている。エディオンの前の信号を横断しバス停を右折すると、やっと都羅の小径のスタート地点に着いた。
都羅の小径(つらのこみち)は、江戸時代に都羅島の海岸線に沿って作られた古道である。
当時、干拓によって都羅島の北岸は地続きになっていたが、この辺りの南岸は海に接していて、海上交通の要所となっていた。
全長約6.2kmの道のりには、史跡や古民家が点在している。道は狭く複雑で、迷いやすい。途中、古墳や寺社を巡りながら、最終目的地の「箆取神社」を目指した
起点である「大江前新田三百年記念碑」から、「薄田泣菫生家(すすきだきゅうきんせいか)」へと続く土壁沿いの小道を歩き始めた。
薄田泣菫は明治時代に詩壇で活躍した作家で生家には関連した資料が展示されているとのことだが、今回は都羅の小径のルート確認と箆取神社参拝が目的であるので失礼した。
車がやっと一台通れるかどうかといった道幅の狭い道をゆっくり歩く。左右には古い民家が点在している。マップにはキリシタン灯篭の所を右折するように描かれている。
この道で間違っていないのだろうかと不安になってきた頃、前方に高さ約3mの石灯篭が見えてきた。これを目印に右折する。人通りは少なく、この静かな小道を歩いていると古き良き時代にタイムスリップしたかのような心地よさを感じる。
ただ一つ難点がある。道がわかりにくいのだ。「都羅の小径」の標識が見当たらないのである。(私が見落としたのかもしれない)
途中からGoogle mapとGeographicaの両方を見ながら歩いた。
途中、梅雲寺古墳、力士の墓、宝島寺、厄神社など数多くの史跡や寺社の前を小径が抜けていく。
迷いながらもなんとか最終目的地である箆取神社に到着した。
箆取神社(へらとりじんじゃ)
創建年代は不詳(飛鳥時代との説もある)で、古くから海若宮と呼ばれ、海難、火難、盗難
除けの御利益があると云われ信仰されてきた。
289段の石段を上り切った拝殿前からの眺望は素晴らしく水島工業地帯を一望することができる。また、春には桜の名所としても有名である。
箆取神社の鳥居の下からまっすぐに伸びる石段を眺め気合を入れる。ゆっくりと289段の石段を上りきると左右に立派な回廊が出迎えてくれた。右の回廊から上ると見晴らしの良い広場に出た。丁度ベンチがあったので座って休息をさせていただいた。昼食代わりのチョコチップクッキーを口に入れながら眼下の景色を味わう。
腹ごしらえを済ませ拝殿に向かう。大平山の山肌に沿って建てられた立派な社殿に思わず感嘆の息が漏れる。ここまで無事来れたことに感謝し手を合わせる。
拝殿横に社務所があり御朱印をいただけるようだ。早速、通常と今年の干支の2種類の御朱印を頂いた。
ここからの眺望は本当に素晴らしい。水島工業地帯や高梁川河口を望むことができる。以前は、この下から向こうは海だったことに想像を巡らせる。
下りは反対側の回廊を降りることにした。開運の守り神として繁栄した往時をしのびながら箆取神社を後にした。
帰路はGoogle mapに従って、やや広い道を歩いた。浦田駅まで約1時間で到着。
今度は、それぞれの史跡をゆっくりと見学しながら巡ることにしよう。
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都羅の小径マップ:倉敷市ホームページ
https://www.city.kurashiki.okayama.jp/9531.htm#ContentPane
倉敷観光WEB:倉敷市公式観光サイト
https://www.kurashiki-tabi.jp
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