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米国の歯科システムについて...

米国の歯科は日本の医科と同様に歯に関わる問題の種類によって診察する科が異なります.前回 Note でお話した様に大きく分けると一般歯科医師と専門医に別れます.専門医 (Specialist) は以下のように様々な分野が存在します.

歯周病専門医 (Periodontist): 歯周病治療,インプラント,予防治療,歯肉形成外科治療,抜歯

補綴専門医 (Prosthodontist): 多数の歯を喪失した,もしくは全ての歯を失った患者に対してインプラントや義歯を用いて口腔機能の改善を目的に上部構造物を製作し装着する.インプラント治療は歯周病専門医がインプラントを埋める処置を担当し,インプラントの被せ物を補綴医が担当することが一般的です.インプラントや入れ歯以外にもクラウン,ブリッジ等も担当します.審美歯科を専門分野として認識されてる方が多いと思いますが,補綴専門医が口腔内機能改善とともに審美改善も担当します.

歯内療法専門医 (Endodontist): 根管治療 (歯の神経治療)

矯正専門医 (Orthodontist): 歯並びを改善する治療

口腔外科専門医 (Oral and maxillofacial surgery): 腫瘍に対する外科治療,親知らず抜歯,顎骨骨折や変形症に対する外科治療

小児歯科専門医 (Pediatrician): 小児に関する治療

顎顔面神経痛専門医 (Orofacial pain specialist): 顎関節,顔面神経痛に関する治療

では,一般歯科医師 (General dentist) はどの様なことを行うのでしょう?Primary dentist として患者の主治医としての役割を担います.サッカーに例えるならば,中央でボール (患者) をキープし仲間 (専門医) にパス回しする役割に近いでしょうか.一般歯科医師は比較的,軽度から中等度の虫歯を部分的な金属の詰め物 (Inlay, Onlay), 被せ物 (Crown, Bridge), 入れ歯 (Denture), 詰め物 (Composite) 等を用いて治療します.重度の問題が生じてる場合は専門的な治療で一般歯科医師の判断によって専門医へ紹介されるシステムになってます.上記で述べた補綴専門医を治療が被る点がありますが,こちらは患者の希望や治療の難易度によるかと思います.専門医である私の個人的な意見としては,医科と同様,何か問題あればその分野に精通する知識と経験が豊富な専門医に診ていただきたいと希望してしまいます.

米国にいらっしゃる患者は,ご自身のお口を様々な専門医で構成された歯科医師チームに治療してもらえるのが安心できる思う方が多いです.最近は一つのクリニックに様々な専門医を揃え,患者が移動する必要なく治療を受けれるところが増えてる傾向があります.便利で質の高い治療が受けれるのが良いですね.

では,次回は私の専門分野である歯周病についてお話します.

コンタクト:houstonoralhealthtokyo@gmail.com

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