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抒情詩

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身近なことをショートで 比喩的表現 自分のことであり あなたのこと
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2022年4月の記事一覧

水の星

水の星

鉛の銃弾が正義
僕を貫く
言葉の弾痕は今も疼いてる

同じ瞳をして呼吸をして
体温もある

ただそこに
みんなとの溝が埋まらない
自由という名の不自由の水槽から出れない
人と違う 運命に嘆いてる

行き先さえわからないのに
翼があれば
ここから抜け出せる
そう信じてる

テレビの向こうで
鉄の雨  
その惨劇に僕らは沈黙している

僕の悩みなんて
ちっぽけで

変わらず地球は回っていく 

僕の悩

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茜

小さな頃
お友達とサヨナラする時は
見えなくなるまで手を振っている

寂しいのは大嫌い

それは今も変わらない

あなたと会って、別れ際に見送るとき
振り向くことがなくても
姿が見えなくなるまで見送る私

あなたより先に背を向けたくないの

背徳感じゃなく
見送ることで自分の気持ちが落ち着く
相手は気づかなくてもいいんです

いつまでも
会っていた時の余韻に浸る

見送られるのは照れ臭いから
私は

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いつか…きっと

いつか…きっと

僕の手が冷たいのは
誰かの手の温もりを感じるためだ

僕の瞳が黒いのは
光を感じるためだ

僕の心がこんなに痛いのは
誰かの痛みを感じるためだ

僕がいつもうつむくのは
いつか空を見上げるためだ

僕のつま先が前にあるのは
前に一歩進むためだ

僕がいつも泣いてるのは
いつか誰かに微笑むためだ

こんなに息苦しいのは
深く呼吸をするためだ

この手をずっと握るのは
いつか未来を掴むためだ

いつか

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靴と青い月

靴と青い月

あなたは今も
その瞳をキラキラさせているのだろうか

なんだか
大切な靴を片方なくしたみたいだ
その片割れを
意味もなく探している
欠けてしまったものなど
戻ることなどないのだけれど

陽が沈み
欠けた月を
あなたもどこかで見上げているのだろうか
何故か訳もなく
胸が痛む
コバルトブルーの月

欠けたところを嘆いていても
遅すぎたかな
今更見つけたところで元には戻らない

あの頃から
背丈は伸びた

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