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Re-born はじまりの一歩

「あの日の二十メートル」/福田栄一 実業之日本社

7人の作家による”再生”の物語が描かれている。その中で印象に残ったのは、福田栄一:著「あの日の二十メートル」だ。

 大学生とご老人の水泳を通してのやりとりが描かれている物語である。「心残りを作らずに一生を終えることはできるのか」そんなことはあまり考えてきたことはなかった。後悔しないように、やりたいことはやったほうがいい。この言葉なら聞いたことがある。考えたこともある。でも、思い残すことをゼロにできるかなんて考えたことはなかった。

 そして過去を遡った時に後悔が表れるから、現時点の自分は思い残すことをゼロにはできないと考えている。しかも、今回の感想を書くことにしたせいで忘れてたことまで思い出してしまった。なんてことだ。

あー、あれをやっておけばよかった。そう思う大人は少なくないはず。だから、大人は、「やらない後悔よりやって後悔した方がいい。」と若者を奮せる言葉を発するのかもしれない。

 ただ、私は不思議と後悔があまりない。厳密にいえばそれは嘘で、後悔したくないから気にしないように努めているだけ、とうすうす自分でも気づいている。過去には戻れないから後悔したって仕方がないとも思っている。あとは、後悔すると自分がネガティブになるのがわかっているから。だから自分の本質の中にネガティブがある程度あることもわかっている。

 一方で、後悔とはその事柄を達成できたかどうかだけではない気がする。別の方法で形を変えられるのではないか。
忘れる、納得する(無理やり納得させる)、割り切る、認める、などなど。
それ以外に視点を変えて見方を変えるという方法はどうだろう。これだとどうやらポジ変(ポジティブ変換)になりそうだ。

あー、あの試合のあのシュートを決めていたら、、、
あー、あの時もっと勉強していたら、、、
あー、あの時にこの道を選んでいたら、、、

と色々考えても、その行き着く場所はたどりたどって自分にぶち当たる。ということは、現在の自分がポジティブでいられたとしたら、後悔も少しポジ変される気がしてきた。

「私はこれまで、後に悔いを残さないような生き方を心がけてきました。」

水泳練習中のご老人 佐山さん
「あの日の二十メートル」/福田栄一

 後悔や心残りは人生の最期にだけ訪れるものではない。もし、1日の最後にその日の心残りが表れそうになったら、自分はあえてそのことを考えるのをやめるように心がけている。そうは言っても、無意識のうちに頭に現れることもあるが。

とある、やんちゃなYouTuberが動画で語っていた。
「目覚めたときに「今日もいい1日!」ってなるか「あー、今日も1日が始まってしまった。」
それだけでその1日がポジティブかネガティブか決まってしまう。
寝起きがポジティブかネガティブか超大事。
だから、寝る前はいいことを考えるべき。」

私も寝る前の悩み事はやめようと思う。現実逃避だという人がいるかもしれない。でも、次の日のスタートを気持ちよくきれたとしたら、昨日の心残りは形を変えるだろう。後に残る悔いはなくなる。今の私は、こんなサイクルを心がけたい。

読んでくれた方へ。
Have a nice day.     今日も良い一日を!

書いた人:TM

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