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株価と円安と庶民の暮らし
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円安が進んで一時は160円台に突入しました。少し戻ったようですが、日本経済の問題は簡単に解決しそうにありません。
この十数年に日本が選んだ政策、紙幣を大量に刷り、日本銀行が金融機関から国債を買う、借金を重ねて自ら貨幣価値を下げ、デフレから脱却する、つまり庶民の暮らしを直撃するであろうインフレも厭わずに投資を促す、という選択が、バブル期を超える日経平均株価の上昇と、記録的な円安という結果をもたらしました。
計算どおりのことの、前半が起こり、後半は起こっていない、起こりそうもない、ということでしょうか。
大企業や輸出関連企業は空前の増収増益、投資家は途方もない富を手に入れた一方で、世界的な原材料の高騰に加えて2012 年から半額になった円で購入するには単純に計算しても倍以上の費用がかかるのですから一般市民の暮らしは生きていくのが精一杯というところまで逼迫しています。
超少子高齢化の日本で、株式市場は潤い、介護の現場にまわる資金は枯渇しています。介護士の方々の雇用環境も一向に良くなっていません。
どうなってしまうのでしょう。経済政策には限界があります。誰も想像できない、前人未到の道を歩んでいます。
このまま格差が広がると経済と共に日本社会も持たないのではないかと思います。そんな時に利用するのは外敵の脅威を煽るか戦争か。そんなことは誰も望んでいないのに。
プルタルコス著『プルタルコス英雄伝』(筑摩書房)には紀元前594年のアテネについて「貧富の差がかつてないほど広がって危険な状況に陥り、騒乱を避けるには・・・独裁に頼るしかないように思われた。」とあります。
貧しく虐げられた人びとが富の再分配を求めて政府の転覆や反乱の準備をし、富裕層が法律とあらゆる力を駆使して身を守る。何度も何度も繰り返されてきた歴史とはいえ、現代の先進国が2608年前と変わらぬ対立と衝突を繰り返すことを虚しく思います。
GWの前半、妙深寺では100万人のクラシックライブ、ボーズバー、一万遍口唱会と、賑やかな毎日でした。京都佛立ミュージアムでも100万人のクラシックライブが開催され、60名を越える来館者でありがたかったです。
ありがとうございます。
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