見出し画像

写真でたどる成城キャンパスの移り変わり

成城学園は、1925年に校地を移転してから、ずっとこの地で成城教育を育んできました。当時の成城一帯は、雑木林ばかり。それが今では、子どもたちがのびのびと学び、生活する自然豊かなキャンパスになりました。
約100年前から続くキャンパスですから、もちろん変わるものがあれば、一方で変わらずに残っているものもあります。
広報誌『sful-成城だより』第1号の特集では「成城クロニクル」と題し、創立時と冊子を発行した2013年の写真でキャンパスの変遷を見比べました。
新たに2022年の写真も加えて、キャンパスの変遷を追っていきます。

門がない正門

昭和初期の正門付近の様子

1928年から、成城学園正門の位置は変わっていません。正門とは言うものの、「門」そのものは造らないのも当時からの伝統です。
門はありませんが、代わりに高くそびえたつ松の木が、昔も今も変わらずに、朝夕ここを通る子どもたちを見守っています。
1928年の写真に写っている奥の建物は当時の澤柳記念図書館です。現在ではほぼ同じ場所に、大学図書館(1989年竣工)があります。

1928年
2013年
2022年
正門に入ってすぐ左手の案内所は2015年に改修され、現在の姿に。

食堂前の道から見た景色

正門に入って左手、法人事務局棟から中学校高等学校へ向かう道です。
道の先には母の館(1928年竣工)が見えます。母の館は1967年に五十周年記念講堂として建て替えられました。
その後、2015年に学園創立100周年事業の一環として、大幅改修。現在は、創立者澤柳政太郎の名を冠した澤柳記念講堂が建っています。

1928年
2013年
2022年
1985年頃の五十周年記念講堂
2022年現在は澤柳記念講堂となりました。

学生食堂

正門から入って左手の法人事務局棟1階にある学生食堂。1955〜80年の頃は平屋建てで、学食手前の売場で食券を購入していたそうです。
1966年当時のメニューはカレーライス40円、ラーメン40円、かけうどん25円など。今の約10分の1の価格です。
学生食堂はリニューアルし、すっかりオシャレな空間に。地下1階の学生喫茶室はパンとコーヒーが楽しめる「ちかぱん」に生まれ変わりました。

1968年
1980年
2022年現在、学食はリニューアルされました。
地下喫茶室は、焼き立てパンとコーヒーを出す「ちかぱん」となりました。
便利な「SEIJO×10」(「ばいてん」と読みます)もあります。

大学3号館と中庭

大学の校舎に囲まれた中庭は、以前は砂利敷きでした。2007年に小舗石で整備され、同年、現在の大学3号館が竣工。
中庭は学生のコミュニケーションの場として、変わらずに活用されています。

1977年
2013年

成城池

幼稚園児や初等学校の児童に、自然学習の場兼遊び場として親しまれている成城池。
実はこれは元からあった池ではなく、1927年、第1グラウンド造成の際に盛り土のために土を掘り、そのくぼみを利用して造られた人工池です。
池の中に小さな島があることから「ドーナツ池」という通称も。せたがや百景の一つにも選ばれています。

(年代不明)
(年代不明)
2013年
2022年。草木がすっきりとして、
右手に体連クラブハウスが見えます。

2号館から見た成城キャンパス

手前が成城池、その奥の赤い屋根が文連クラブハウス、第1グラウンド。仙川をはさんで右手に見えるのが、体連クラブハウスです。
河川工事前だった1964年の写真では、仙川と成城池の水面がほぼ同じ高さだったことが分かります。
1966年に建てられた体連クラブハウスは老築化により取り壊され、1996年に新設されました。
一方で、文連クラブハウスは1971年の竣工から約40年たった今も現役で利用されています。

1964年
2013年

体育館と第1グラウンド

1932年に竣工した体育館が1974年に火災で半焼。一部解体し、改修しました。
2017年創立100周年の教育環境整備の一環で、2016年に体育館を改築、2018年に第1グラウンドが人工芝となりました。
改築された新体育館のデザインは、以前のものを踏襲しています。

1932年
2013年
2022年。右手に見えるのは中高一貫校舎です。

仙川から見た景色

仙川沿いの道左手には第1グラウンドが見えます。以前は豪雨の際によく浸水したため、補修工事が進み、現在の姿となりました。
河川改修前には、川辺でザリガニ捕りを楽しむ児童の姿が見られたとか。春には川沿いの桜並木が道行く人々の目を楽しませています。

1945年
1962年
2013年
2022年

剣道場

高等学校の中庭にあった剣道場は、元は成城高等女学校の校舎でした。1927年に開校した女学校は1948年の学制改革で廃止。
その後は、空襲で焼けた幼稚園園舎の一時利用、高等学校の家庭科教室など、その時々に合わせて役割を果たしてきました。
1985年に改修され剣道場として活用された後、2017年の創立100周年の教育環境整備の一環で取り壊しとなり、現在この場所には中高一貫校舎が建っています。

1948年
2013年
2022年

写真=成城学園教育研究所、岡村隆広、佐藤克秋
本記事の無断転載・複写を禁じます。

 ※『sful-成城だより』vol.1(2013 Summer)を再編集しました。

『sful』最新号はこちら