先輩のTwitterと私
私はプロフィール欄にずらずらと経歴が並べたTwitterアカウントがあまり好きではない。
原因は私のインターネット学歴にあって、2chで義務教育を終えている私は匿名こそが美徳で、自分を開示して売り出していくのは粋ではないという価値観で育ってきた。すげーギャグセンスがあるのに面白いことだけ書いて名乗らずに去っていくのってすごくかっこいいと思っていたし、今も思っている。寄付だって匿名の方がかっこいいじゃん。
ただ、名前を出して自分を売り出していくことがビジネス的に正しいということもわかっているし、そもそもSNSで承認欲求を出すことは別に悪いことではないということもわかっているし(最近わかってきた)、最近のインターネットでは自分を開示することを楽しんでいる人もたくさんいるということもわかっている。だからこれはいいわるいの話ではなく好き嫌いの話。
で最近、昔から激烈に尊敬している先輩の名前をふとTwitterで検索して、私はめちゃくちゃうなだれた。プロフィール欄にスラッシュで区切られた経歴とポエムが載った先輩のアカウントがあったからだ。
私はその先輩をマジでめちゃくちゃ尊敬していたのだ。
頭もめちゃくちゃ良くて、イケメンで、めちゃくちゃ心配りができて、オタク文化にも詳しく(その辺のオタクよりもよっぽど知識がある)、話がめちゃくちゃ面白くて・・・。そして極めつけはそれだけ全てを持ち合わせているのにも関わらず、自分を誇示しない品性の高さ。当然SNSなどやっていない。「SNSとかあんまり興味ないんだよね~」という言葉に「カッケー!」と心の底から痺れていた。見ろ!この心意気!ツイッターで中途半端な自慢をしたがる人を見かけては「先輩の爪の垢を煎じて飲め!」と心の中でリプを送っていた。
そんな先輩がまさかTwitterで一言物申すマンになっているだなんて・・・。プロジェクトを炎上させても毎日8時間寝るほど能天気な私もこの時ばかりは流石に応えた。
しかし、そんな先輩と同じようなアカウントを運用することになった。仕事で使うからだ。インターネットで信用を勝ち取るためには持っている武器を全て並べて誇示しなくてはいけない。格好をつけている場合ではない、生き残るための生存戦略だ。
先輩も私と同じようにやらなくてはいけない理由があったんだろうな。そう思うと少し心が安らぐ気がした。
頂いたお金でグミを買います。グミを食べると人に優しくなれます。私を優しい人間にしてくれてありがとうございます。