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ミイラ展よかったです

昨日、ミイラ展なる素晴らしいイベントを訪れる機会があったので感想を記す。

1体でも珍しい存在のミイラが6体も展示されるこのイベント。「古代エジプトでは死体に処理を施し保存する習性があったらしい」という認識だけを持っているのと、実際に亜麻布でぐるぐる巻きにされた人の塊が目の前に現れるのでは魂への刺さり具合が変わってくる。知識を重ねることも大事だが併せて強烈な経験をすることも悪くはない。私の人生の中で朧げに浮かんでいたエジプトが今はっきりと輪郭を持って立ち上がった。

また、ミイラを納めていた棺の展示とともにそのCTスキャンの解説が公開されておりこれがまた素晴らしかった。一見すると一塊に見える豪華な棺も複数の木材とダボと板でできており、それらが超絶技巧の精度で組み上げられることで王を納める棺桶が出来上がる。私はそこに、炎天下の日差しの中で汗を流す職人の気配を確かに感じた。

時代と場所を超えてやってきた死者への畏怖と文明を支え続けてきた職人への敬意を持って会場を後にした。


その他

・エジプトは像の造形の精度が凄まじい。それは現代の高級フィギュアにも通じるものがあり、自分の崇拝するイデアを何とかして形に表したいという思いは今も昔も変わらないのだろう。

・猫のミイラの匂いを化学的に再現した展示物があり、嗅いだ。華やかな芳香と肉の匂い、私はシーブリーズの香りが充満した朝練後の部室の匂いを思い出した。


(所要時間22分)

頂いたお金でグミを買います。グミを食べると人に優しくなれます。私を優しい人間にしてくれてありがとうございます。