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『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』見た!戦車は怖い!

映画を全然見ないので、エンタメといえばハリウッドだし、ヨーロッパの映画は小難しいし、インドの映画はとにかく踊る、と思っている。それくらい映画についての知識がない。

なので、どんなに面白いと評判であっても"ロシア"が作った"戦争映画"というだけで、ある程度息苦しく、イデオロギーについてのむさ苦しい語りがあり、やっと心が開けたと思った仲間は戦場で無惨に脳みそを飛び散らかすだろう、と思っていた。清々しいほどの偏見。

が、蓋を開けて出てきたのはグロないし仲間は死なないと100%エンタメに振り切った作品だったのでそこでまずびっくりしてしまったんだな。


まるでめちゃめちゃ熱いシーンだけを繋ぎ合わせて映画にしたような、YouTubeの切り抜きまとめを見ているような構成は「始めからケツまで全部楽しませる」という作り手の強い意志を感じたし、見終わった後に食う飯が美味くなるのは必然だった。2年前の私へ、立川でやっている爆音上映を観ろ。


戦車の恐さが体験で理解できるようになっていて、これが痺れた。

戦車って結構トロいんですよね。車速もそうですが、特に砲身の動きが。目標に狙いを定めるまでに時間がかかる。

それによって戦車は怖くなくなるのかというと、実はその逆で自分の方へ砲身を向けている時間がチビるくらい怖い。向き終わったらそのあとは死だから。

戦車が範囲に入った標的を一瞬で撃ち抜くような兵器だったら多分恐怖を感じる前に死ぬのでそれほど怖くはないだろう。

確実な死が「キュラキュラキュラ……」とゆっくりこちらを向く。この時間の長さが本当に怖い。

そして棒だった砲身が点になった瞬間の「あ、俺死んだわ」感。戦争において戦車という存在がどれだけ恐れられていたか。ちょっとだけわかったような気がする。


砲弾が発射された瞬間、止まった時の中を弾だけがスローモーションで動くという演出があり、これが臨場感があってカッコいい。

戦車の火力はあまりにも高すぎて一瞬で勝負が決してしまうため、普通に戦車戦をやったのではエンタメとしては味気ないんじゃないか、ということなんだろう。撃った後に「いけたのか・・・?弾は当たったのか?敵は死んだのか!?」とハラハラする時間をじっくり味わえるのである。


あとはライバルとなる敵将校のキャラが良く、戦いの終盤で手袋を叩きつけて主人公に決闘を申し込むシーンは優秀な指揮官である主人公への尊敬と自分への誇りがあり、それがあまりにもカッコよく「私も優位な状況でなお、手袋を叩きつける人間になりてぇな・・・」としょうもないことを思ったりした。

彼は主人公に入れ込みすぎて、後半のようなまずい状況を作ってしまったわけだけど、なんかそういうところも人間臭くていいなと思うのである。


という感じでまぁ~面白かった。ピザ片手に友人と茶々入れながら観るのが正解な映画だと思う。続編ができたら次は是非劇場で見たいね。出るか知らんけど。

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