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午後の憂鬱

 速記というものをやってみようとタブレットを開いてキーボードのスイッチをつけた。外来も病棟業務も終わって書類仕事も一区切りついたところで退勤時間にはまだ早い微妙な持て余した時間をnoteに充てようと思ったのは、疲れによるところが大きい。どうにも倦怠感や頭重感があって風邪でもひきそうな雰囲気がするものだから、何か新しい知識を入れる気にもならず、目の前にある幾つかの古書の頁を開く手を止めた。つい先日職場の友人がメニエール発作で動けなくなったと聞いて、すぐに治療に向かった。診察すると腎虚も脾虚も著しかったもので、それで水毒も相当なことになったのだと分かった。元々処方していた八味地黄丸が効いている様子だったが、それだけでは治療強度が足りないだろうと判断して、半夏白朮天麻湯を追加で処方した。今、動けないという状態を解決するために、持ち合わせの道具で鍼治療も展開した。内関・外関を中心に、他の経絡も触診して気の滞ってる場所を治療した。経穴の場所は触れれば分かる。経穴といったが、経穴と奇穴と阿是穴を併せたいわゆるツボと認識していただいて差し支えない。鍼治療をしているうちに「なんだか楽になってきた」と彼女は言って、歩けるようになった。その日の午後から漢方薬を2種類飲んで、夜から早朝に症状症状増悪したが、その後急速に回復して二日後には殆ど軽快したという。それは瞑眩だったのではないかと私が言うと、彼女はそうかもしれないと笑った。やはり鍼灸治療と漢方治療の相性は良いと思う。しかしそれぞれに治療の方向性というものがあるから、うまく噛み合わないと最良効果の発揮は叶わない。鍼灸師と薬師は生業が違うもので、古来それぞれの流派というものがあったらしい。現代においても一人の医者が鍼灸と漢方薬を同時に使い熟すことは難しい。私の専門は漢方内科だが、鍼灸は門外漢だと斬り捨ててしまうのは余りにも惜しい。本職の鍼灸師のレベルに及ばずとも、可能な範囲の研鑽は積もうと思って鍼灸の教科書を開きかけたところで思い出す。そうだ、疲れてるんだった。

 そんなこんなで程よい時間になったので帰る支度でもしようと思う。ここまでで10分ほど経過した。文字数は900字を少し超えたところ。やはり疲れているのか、いつもより遅い。タイプミスもあるかもしれないが、読み返す気にもならないのでこのまま投稿してしまおう。読んでくださる方には申し訳ないが、それよりも感謝の念の方が大きいので締めの台詞は定まった。


 乱文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の一日が癒される雰囲気の中で綴じられますように。




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